ノーマル「DBX」より最高出力157馬力、最大トルク200Nm向上

　英国アストンマーティンは2022年2月1日、同ブランドのSUV「DBX」にハイパフォーマンスモデル「DBX707」を追加、世界初公開しました。

　DBX707は、同ブランド初のハイパフォーマンスSUV「DBX」の高性能バージョンです。車名の「707」は性能向上したエンジンの馬力に由来しています。

　エンジンはDBXの4リッターV型8気筒ツインターボをベースに、707馬力・900Nmにまで性能アップ。DBXよりも最高出力が157馬力、最大トルクが200Nm向上させています。

　組み合わされるトランスミッションは、既存のトルクコンバーター式ATではなく、新開発の9速湿式DCTを採用。これは従来のものよりトルク伝達容量が大きく素早い変速が可能で、またシフトフィールも直感的で直接的に改善されているといいます。

　DBX707は新バージョンの電子制御式LSD（e-diff）を採用、性能向上した900Nmというトルクをフルに使えるように強化されています。さらに最終減速比はDBXの3.07から3.27に変更されているといいます。この結果、0−62mph（約100km／h）加速は3.3秒というパフォーマンスを誇ります。

　このパフォーマンス強化に対応するため、カーボンセラミックブレーキを標準で装備。フロント420mm、リア390mmのディスクと6ピストンキャリパーを採用し、バネ下重量を合計で40.5kg軽量化しています。また、油圧系サイズやブースターチューニングを見直し、ブレーキフィールとレスポンスを改善。クーリング用のインテークとアンダーフロアから空気を取り込み、ブレーキの冷却性能の向上も図っています。

　タイヤは標準で22インチ、オプションで23インチを用意します。

　アストンマーティンのエンジニアリングの任者であるドラモンド・ジェイコイ氏は、「DBX707の目的は、すべてのアストンマーティンモデルに不可欠な本物のスポーツキャラクターと組み合わせて、非の打ちどころのない制御と精度で計り知れないパフォーマンスを実現することでした。

　この目的のために、車両のすべての領域に妥協のないアプローチを適用しました。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキ、電子システム、空気力学はすべて、大幅な強化と細心の注意を払って調整されています。その結果、新しい基準を設定し、DBXをそのクラスのライバルとさらに区別するクルマが生まれました」とコメントしています。

　DBX707は2022年第1四半期から生産を開始、2022年第2四半期のはじめに納車が開始される予定です。