VWのクーペSUV「ID.5」生産開始! 急速なEVシフトでVW独ツヴィッカウ工場がEV専用拠点に転換完了
フォルクスワーゲン(VW)のクーペSUVタイプの電気自動車(EV)「ID.5」および「ID.5 GTX」の生産をVWツヴィッカウ工場で開始しました。
118年の歴史を持つ工場が完全なEV生産工場に転換
独フォルクスワーゲンは2022年1月27日、クーペSUV型電気自動車(EV)「ID.5」および「ID.5 GTX」の生産をVWツヴィッカウ工場で開始しました。
ID.5は2021年11月3日に世界初公開された、モジュラーエレクトリックドライブマトリックス(MEB)をベースにしたEVで、VW「ID.シリーズ」としてはコンパクトハッチバックの「ID.3」、コンパクトSUVの「ID.4」に続く3車種目となります。
全長は4599mm(ID.5 GTXは4582mm)、ホイールベースは2766mmというボディサイズで、クーペSUVというスタイリングを持ちながら、SUVタイプの「ID.4」と比べて後席のヘッドルームはわずか12mm少ないだけといいます。また荷室容量は549リッターを確保しています。
空気抵抗係数(Cd値)は0.26(ID.5 GTXは0.27)と低いのも特徴です。
ID.5はリアにモーターを備えた後輪駆動モデル、ID.5 GTXは前後アクスルにモーターを備えた4MOTION(4WD)モデルとなります。
最初に欧州で市場投入されるのは、174馬力を発生する「ID.5プロ」と204馬力の「ID.5プロ・パフォーマンス」、そして299馬力の「ID.5 GTX」です。ドイツでの車両価格は4万6515ユーロ(日本円で約600万円)からとなっています。ドイツでは最大9000ユーロ(日本円で約114万円)のEV助成金を申請することができます。
バッテリー容量はいずれも77kWhで、ID.5プロおよびID.5プロ・パフォーマンスは最大520km、ID.5 GTXは最大490kmのWLTP航続距離となります、
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ID.5/ID.5 GTXが生産されるドイツ・ザクセン州西部にあるツヴィッカウ工場は、1904年に操業を開始。エンジン搭載車を生産してきましたが、2020年6月に「ゴルフヴァリアント」の生産をもって内燃機関モデルの生産を終了しています。
2018年以来、ツヴィッカウ工場をEV生産のためにデジタル化/高効率なモデル工場に転換するため、およそ12億ユーロ(日本円で約1550億円)が投じられました。
今回ID.5/ID.5 GTXが正式に生産開始され、ツヴィッカウ工場をEV専用の工場に転換するというVWの取り組みが成功裏に完成しました。世界中の量産工場の中で、内燃エンジン搭載車からEV生産へと完全に転換することに成功した最初の大規模工場となります。
今後MEBをベースにしたVWグループのモデル、VW「ID.3」「ID.4」「ID.5」に加えアウディ「Q4 e-tron」「Q4スポーツバックe-tron」、クプラ「ボーン」の6車種がツヴィッカウ工場で生産されます。生産能力は年間30万台以上で、ツヴィッカウ工場は現在、ヨーロッパでもっとも効率的なEV生産施設となっています。
ツヴィッカウ工場では、2017年の時点で、すでに外部電源を100%グリーン電力に切り替えています。「ID.3」の生産が2019年11月に開始されて以来、すでに生産段階でのカーボンニュートラルを実現しているといいます。
VWは2022年、ドイツのエムデン工場(ID.4生産)、ハノーバー工場(ID.BUZZ生産)、アメリカのチャタヌーガ工場(ID.4生産)がEV生産ネットワークに加わります。このようにしてVWブランドは2022年に、欧州/米国/中国の生産拠点で、MEBをベースとしたEVを120万台生産するための基盤を構築しています。
VWの「ACCELERATE」というブランド戦略では、2030年までに欧州でのVW全販売台数の少なくとも70%をEVにするという戦略を立てています。これは100万台を大幅に超えることを意味しています。さらに北米と中国では、販売台数に占めるEVの割合は少なくとも50%に達すると予想しています。
今後VWは、毎年少なくとも1台の新しいEVを発売していく予定です。
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