トヨタ初の時価総額「40兆円超!」 わずか1年で倍に! 株価グラフに見る上昇の訳とは
2022年1月18日、経済メディアはトヨタの時価総額が初めて40兆円を超えたと報道。1年前には23兆6千億円だったのになぜ倍になったのでしょうか。
トヨタの時価総額が初めて40兆円を超えた
トヨタの時価総額(企業の価値として使われる指標。株価×発行株数)が2022年1月18日に初めて40兆円を超えたと経済メディアが伝えている。
参考までに書いておくと、日本企業の2位はソニーで18兆8千億円、3位は半導体メーカーのキーエンスで15兆4千億円、4位はNTTドコモで12兆5千円と続く。
自動車業界の2位といえばホンダで6兆4千億円だからトヨタの強さが目立つ。
そんなトヨタは、1年前の2021年2月1日時点での時価総額は23兆6千億円だった。
2020年3月は20兆円を下回っていた。この2年間でソニーやキーエンス、NTTドコモの株価も上がっているけれど、トヨタの上昇率は明らかに高い。
なぜトヨタの株価が上がっているのか。グラフを見ると、2021年5月にググッと上昇。そして2021年末に2段階ロケットのように上がってます。
5月の上昇についていえば理由明快。2020年3月あたりから深刻化していった新型コロナ禍により、2020年度決算は多くの企業が赤字見通しとした。
トヨタの場合、赤字予想こそ出さなかったものの、大幅減益という数字を出す。しかし3か月毎の途中決算発表で徐々に持ち直し、2021年5月に発表した2020年度収益は新型コロナ禍の影響を受けなかった2019年度を超えた。
この発表でトヨタの“強さ”に対する評価が一段と高くなり、6月までの1か月間で15%もの株価上昇となる。
実際、世界の自動車産業でトヨタに匹敵する業績を上げたのはテスラだけ。ちなみにテスラの株価は高騰といって良く、2年前の10倍。
トヨタが40兆円を超えた1月18日時点で118兆7千円億円と、トヨタの4倍にもなっている。
さて、興味深いことに2021年12月から始まった2段目の株価上昇は、どうやらテスラの株価高騰とリンクしているようだ。
前述の通りテスラの時価総額は2021年の秋に100兆円を超えた。そんなテスラの生産台数といえば、創業以来最高を記録した2021年で93万6千台。
今後、毎年販売数を伸ばしていこうとしても、これまでのような順風満帆となりそうじゃないことは誰だって分かる。皆さんテスラ対抗馬を開発してますから。
そんなタイミングでトヨタが2021年12月14日に「電気自動車を2030年に年間350万台作る」という具体的な数字を発表した。
テスラの株を買ってきた人達は自動車産業に詳しくない。イーロンマスクを信じてテスラの株を買ってきた、といい換えてもよい。
だからこそテスラの株価は、企業規模を考えたらバランスが悪いくらい高かったワケです。多くの人が「テスラはもっと大きい企業になる」と信じていた。
トヨタの350万台という発表を受け、テスラの将来性を信じて株を買っていた人達からすると「もしかしてテスラより台数多いじゃないか?」と思うだろう。
でもここで考えていただきたい。テスラは8年後の2030年に350万台の電気自動車を作ろうとすれば、毎年のように生産規模20万台の工場を作っていかなければならない。
そんなこと無理だとすぐ想像できる。一方トヨタの350万台は、実現可能な数字だ。
さらにカーボンフリーの2050年までで考えたなら、トヨタ1000万台の可能性も出てくる。
テスラがホンダくらいの規模を持つ自動車メーカーを買収すれば話も変わってくるけれど、現実的に難しい。
そうなったとき「時価総額でテスラの4分の1しかないトヨタはどうか?」と考えたら、まだまだ割安感があるということになる。
もちろん今後も紆余曲折ありそうながら、経営指数はすべて青信号です。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。
本日2023年4月24日、テスラはすでに小型車だけで400万台生産を見据えてギガファクトリーを整備している。国沢光宏氏のモータージャーナリストとしての分析力のなさ、ポンコツぶりが際立つ記事である。