日本で販売されなかったけど超魅力的! ハイスペックな海外専用車3選

1960年代の終わり頃から国産自動車メーカー各社は本格的な海外進出を開始し、今では数多くの海外専用車を販売しています。そこで、日本で販売されなかった高性能で魅力的なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

ハイスペックで超魅力的な海外専用車を振り返る

 国産自動車メーカーは、1960年代の後半から本格的な海外進出を果たしました。さらに1980年代には海外に生産工場を建設して、現地生産を開始。グローバルで生産してグローバルで販売するのが当然の世の中になりました。

残念ながら日本で販売されなかった魅力的な高性能モデルたち
残念ながら日本で販売されなかった魅力的な高性能モデルたち

 海外進出した当初は国内モデルを仕向地に適応するように改良して輸出していましたが、現地生産が本格化するようになると海外にも開発拠点を置き、現地のニーズに合ったモデルを独自で開発して生産するようになりました。

 そのため、今では多くのメーカーが日本では展開しない海外専用車を積極的に販売しています。

 そんな海外専用車のなかには、とても魅力的なモデルも存在。そこで、日本で販売されなかったハイスペックなモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シビック タイプR スポーツライン」

ややおとなしめな外観と日本仕様では搭載されなかった装備を有する「シビック タイプR スポーツライン」

 すでにプロトタイプの画像が公表されているホンダ新型「シビック タイプR」は、2022年中に発売予定です。

 現状で最後のタイプRといえば2017年に発売された「FK8型」ですが、2020年10月にはマイナーチェンジモデルと、最後の限定車として「リミテッドエディション」が発表され、争奪戦が繰り広げられたのは記憶に新しいところではないでしょうか。

 そしてFK8型シビック タイプRは、日本だけでなく北米や欧州でも展開され、欧州では独自のグレードとして「シビック タイプR スポーツライン」が登場。

 外観は、標準タイプに装着される大型のリアウイングが「ローデッキリアスポイラー」に変更され、ややおとなしいスタイリングに仕上がっていました。

 また、タイヤも標準モデルは20インチのコンチネンタル「スポーツコンタクト6」が採用されていますが、シビック タイプR スポーツラインには快適性を重視した19インチのミシュラン「パイロットスポーツ4S」を採用。

 ほかにも車内で聞こえるエンジン音を走行モードによってオーディオのスピーカーを介して変化させる機能の「ASC(アクティブサウンドコントロール)」が搭載されました。

 さらに、さまざまな走行パラメーターを記録する専用のデータロガー「Honda LogR」を装備し、ディスプレイオーディオによって「パフォーマンスモニター/ログモード/オートスコアモード」の操作と表示が可能で、スポーツ走行でのドライビングスキル向上をアシスト。

 比較的手軽にサーキット走行を楽しめる欧州ならではの仕様となっていました。

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●日産「セントラ NISMO」

過激すぎない適度なチューニングでスポーツセダンに仕立てられた「セントラ NISMO」

 かつて、日産の小型車の主力だった「サニー」は、アメリカでもダットサンブランドのモデルとして古くから販売され、現在も北米市場では「セントラ」の名で展開しています。

 現行モデルのセントラは8代目にあたるCセグメントのセダンとなっていますが、先代の7代目は2016年に、高性能モデルの「セントラ NISMO」が北米専用モデルとしてラインナップされました。

 セントラ NISMOは最高出力190馬力を誇る1.6リッター直列4気筒直噴ターボの「MR16DDT型」エンジンを搭載し、トランスミッションはCVTに加えて6速MTを設定。

 外観では専用デサインのフロントバンパー、サイドスカート、ディフューザー形状のリアバンパー、さらにトランクリッドにはリアスポイラーを装備して、スタイリッシュなスポーツセダンへと変貌を遂げました。

 内装にはスポーツシートに小径のステアリングホイール、カーボン柄のセンターコンソールを採用し、随所にレッドカラーの差し色が施されており、外観と同様にスポーティさを強調。

 また、ボディ補強によるシャシ剛性のアップや、強化されたサスペンションとブレーキ、18インチタイヤを装備するなど、コーナリング性能も向上していました。

 2019年に8代目へとフルモデルチェンジした際にNISMOグレードは廃止され、現在は全車自然吸気エンジン車となっています。

●トヨタ「カローラ コンプレッサー」

スーパーチャージドエンジンを搭載したホットモデルの「カローラ コンプレッサー」

 トヨタ「カローラ」シリーズは初代から海外で展開され、今では150以上の国と地域で販売しているなど、日本を代表するグローバルカーです。2021年に全世界の累計販売台数が5000万台を突破しました。

 これほど数多く販売されたカローラですから、日本で販売されなかった海外専用モデルも数多く存在しています。

 なかでも魅力的な1台が、欧州で販売された高性能モデルの「カローラ コンプレッサー」です。

 ベースとなったモデルは2001年に日本で発売された5ドアハッチバックの「カローラランクス」で、欧州では車名がカローラのままハッチバックモデルとして販売されていました。

 そして2005年に、欧州専用の限定モデルとしてカローラ コンプレッサーが登場。

 エンジンはスポーツユニットの1.8リッター直列4気筒DOHC「2ZZ-GE型」にスーパーチャージャーが追加され、最高出力は標準の189馬力から215馬力に向上。トランスミッションは6速MTのみで、0-100km/h加速6.9秒、最高速度は230km/hのパフォーマンスを誇りました。

 ボディはカローラランクスでは設定されなかった3ドアハッチバックで、フロント、サイド、リア、ルーフエンドにエアロパーツを装着。

 強化されたサスペンションにより車高を15mmローダウンし、17インチホイール、左右2本出しのマフラーなど専用のアイテムでスポーティに演出されました。

※ ※ ※

 日本で販売されていない海外専用車は、珍しさもあって魅力的に見えてしまいます。

 一方、海外のクルマ好きも日本専用車や日本仕様に興味津々のようで、いわゆる「JDM(Japanese Domestic Market)」が人気を集めています。

 とくにアメリカの旧車マニアの間では北米仕様をあえてフェンダーミラーに改造したり、日本のカスタマイズ手法を取り入れたりするなど、大いに盛り上がっているようです。

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