1000万円超えも! 中国高級ブランド「紅旗」ついに日本正式上陸! 次に日本市場に来る中国メーカーはNIOか

注目すべきはどこか? 世界が注目するNIOとは

 さらに、中国発のEVベンチャーも多く誕生しています。すべてが順調というわけではありませんが、2014年に創業した「NIO」は2018年にはニューヨーク証券取引所に上場し、2021年末時点の時価総額は5兆円を超えるなど、ホンダに匹敵するレベルとなっています。

 筆者は、このNIOこそが次に日本に進出してくる中国車ブランドであると考えています。

 2021年、NIOはすでにノルウェーへの進出を果たしており、近い将来ドイツなどの欧州諸国へも展開することを明らかにしています。

 NIOが当初から世界展開を考えていたことは明らかですが、欧州諸国への展開が進めばその後は日本への進出の可能性は十分に考えられます。

 2018年に上海でNIOのフラッグシップSUV「ES8」に試乗した筆者ですが、短い時間ではあったもののハードウェアのよさを存分に実感することができました。

 実は、筆者はその時点で、このクルマの個人輸入を考えていました。

 日本で販売されていないクルマを並行輸入する際にもっとも大きなハードルとなるのが排ガス規制ですが、EVはそもそも排ガスを出さないためその手間が省けるというメリットがあります。

 また、安全性についても、世界展開を前提にしていることから日本の基準に照らし合わせてもまったく問題ないと考えました。

 そうなると、車両購入費用以外で必要なのはせいぜい輸送費程度ですが、上海と日本は物理的に近いため、それほど大きな負担にはなりません。

 NIOの購入はアプリを通じておこなうのですが、購入の際には中国の携帯電話番号が必要であるなど、実際には多くの手間があります。

 また、その後のコロナ禍の影響で中国への渡航が制限されていることなどもありこの計画は頓挫してしまっています。

 しかし、NIOはクルマとして十分なクオリティにあることは間違いないと感じています。

NIO DAY 2021でお披露目された新型セダン「ET5」 グリルレス&クーペセダンなデザインが魅力!(画像は公式YouTube)
NIO DAY 2021でお披露目された新型セダン「ET5」 グリルレス&クーペセダンなデザインが魅力!(画像は公式YouTube)

 ただ、クルマは性能や機能はもちろん、安心や安全も大きな要素であるのも事実です。

 中国ブランドのクルマに安心感を覚えることができるかどうかは、ユーザー側の心理の問題であり、理屈でどうにかできるものではありません。

 NIOに限らず、今後中国の自動車メーカーが日本進出を検討する際、課題となるのが、中国製品に対する、ひいては中国という国に対する信頼感であることは間違いありません。

 こうしたイメージは一朝一夕に築かれたものではないため、それを打破するのは決して簡単ではありません。

 それでも、優れた製品を安定して供給し続ければ、自然とイメージは変わっていくことでしょう。

 とくに、EVのような先進的なものであれば、筆者のように、リスクは承知しつつも興味はあるというユーザーは少なくないと考えられます。

 そういった意味でも、次に日本に進出してくる中国車メーカーがあるとするなら、それは世界展開を視野に急成長を遂げている、新興EVメーカーのNIOにほかならないと考えます。

※ ※ ※

 2021年12月に開催されて「NIO Day」というイベントで、NIOは2025年までに25の国や地域へ進出する予定であることを発表しました。

 その際のプレゼンテーション資料を見ると、日本への進出が示唆されていることがわかります。

 もし2025年にNIOが日本進出を果たしたとしたら、そのとき日本の自動車メーカーはどのようなモデルで立ち向かうのか、期待せずにはいられません。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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