なぜ、いま原付二種のバイクが充実しているのか?
近年、51cc以上125cc以下の排気量を持つ、原付二種のバイクがトレンドとなっています。かつては原付一種のスクーターの派生モデルという印象が強かった原付二種ですが、現在これほどまでにラインナップが背景にはどんな事情があるのでしょうか?
原付二種ブーム到来の背景はコロナ禍?
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1980年代のレーサーレプリカブームや、2000年代のビッグスクーターブームなど、バイクの世界にはその時代ごとの流行がありますが、現在大きなトレンドとなっているのが原付二種のバイクです。
原付二種に該当するのは、排気量が51cc以上125cc以下のバイクで、運転するためには「小型限定普通二輪免許」もしくは、「AT小型限定普通二輪免許」以上の免許が必要となります。
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いわゆる「原付」である、50cc以下の原付一種のバイクと同様に、比較的簡単に免許が取得でき、なおかつ車体の価格も安価なものが多いにもかかわらず、原付一種よりも制限速度が高く設定されていたり、二人乗りが可能であったりするなどの使い勝手の良さが魅力です。
そんな原付二種のバイクですが、かつてはスズキ「アドレス 90」などの一部のモデルをのぞいて、あまり目立つ存在ではありませんでした。2010年代に入り、ホンダ「PCX」シリーズが爆発的な人気を見せるなど、原付二種というカテゴリーが脚光を浴びるようになってきました。
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PCXのヒットもあり、2011年以降、原付二種のバイクは10万台程度の販売台数をキープし続けており、年々縮小している二輪市場では比較的堅調な動きを見せていますが、2021年に入り、原付二種ブームの到来がより顕著になっています。
日本自動車工業会が発表した2021年上半期の原付二種の販売台数は、前年同期47.8%増の6万7772台で、2020年通年の10万9204台を大きく上回ることがほぼ確実となっています。
日本自動車工業会では、原付二種好調の背景について、「コロナ禍でフードデリバリー用スクーターの需要が増加したことも一因」としつつ「それ以上にレジャー用途の需要が市場を押し上げた」と分析しています。
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実際に、この販売台数増をけん引したのは、ホンダ「CT125・ハンターカブ」であり、同じくコロナ禍で需要の高まったソロキャンプユーザーのニーズをうまくつかんだと見られています。
2020年のはじめから現在にかけて、およそ2年間にわたって人々の生活に大きな影響を与えた新型コロナウイルスですが、二輪業界に関しては追い風になっているようです。
教習所は受付停止、納車までは半年
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実際に、自動車教習所では、原付二種をはじめとする二輪免許の取得希望者が殺到していると言います。
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ある大手教習所では、毎月の受講者数が定員の150%にも達しており、一部の教習所では新規の受付を停止しているほか、新規受付ができた場合でも、実際に教習がはじまるまでに1~2か月待つことも珍しくないようです。こうした現状を見て、ある教習所の担当者は「第三次バイクブームが来ている」と話します。
また、販売店からも「バイクが売れすぎて困っている」と、うれしい悲鳴が聞こえてきます。原付二種のような小型バイクは比較的納期が短いのが特徴でしたが、想定以上の販売状況ということもり、一部モデルでは納期がかなり長くなるという事態が発生しているようです。
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例えば、CT125・ハンターカブは、2021年12月現在、納期はおよそ半年と案内されています。もちろん、コロナ禍だけが原付二種ブームの要因ではありません。より広い視点で見れば、2010年頃より各メーカーは原付二種クラスの小型バイクの開発に注力していました。
その背景には、日本独自の規格である原付一種よりも、原付二種にあたる125ccクラスのバイクのほうが、小型バイクのメッカとも言える東南アジアやインドなどでも販売可能であり、そうした新興国市場が日本のバイクメーカーの「ドル箱」となっていたという点があります。
そうした下地があった上で、ここ2年間のコロナ禍が引き金となり、昨今の原付二種ブームが生まれたと言えます。
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いわゆる「密」を避けて移動でき、なおかつ比較的手軽に免許取得ができ、さらに購入・維持のコストが安い原付二種は、コロナ禍の人々にとって重宝する存在だったと言えます。
2022年以降はコロナ禍も落ち着きを見せると考えられますが、原付二種が引き続き校長を維持するかどうかに注目が集まります。
提供:バイクのニュース
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