スキーをしない一般の人もこぞって購入!? SUV人気に一役買った元祖的存在3選

ホンダとスバルが誇るSUVの先駆者たち

●ホンダCR-V

 ホンダ「CR-V」は、1995年10月に発売されました。

 この頃すでにRAV4の人気が高くなっており、後に続くトヨタvsホンダの様相となったのです。

 CR-Vは当初からワゴン的性格を前面に出しており、ボディサイズは全長4470mm×全幅1750mm×全高1705mmで、当初から5ドアのみで登場しました。

 ポップでライトなRAV4に対して、CR-Vはやや上の年齢層を狙ったイメージ戦略だったようです。

ホンダ初代「CR-V」
ホンダ初代「CR-V」

 エンジンは2リッター直列4気筒(B20B型)を搭載し、最高出力は130馬力/19.0kg.mと、同時期のホンダのエンジンのなかでは低中速トルクを重視した特性になっていました。

 しかも、量産車として世界初の4連スリーブブロック構造を採用し、エンジン外寸は1.6リッターエンジン級に抑えられていました。

 横置きエンジン車ですから、エンジンが小型化された分だけ前輪の切れ角が増し、最小回転半径は5.3mを実現。

 駆動系はホンダ独自のデュアルポンプ式4WDで、滑りやすい道で前輪が空転したときのみ後輪にエンジンパワーを伝達するスタンバイ方式を採用しました。

 簡易的な4輪駆動方式ゆえに、リヤデフとリヤドライブシャフトを小型化でき、車両重量軽減に貢献しています。

 CR-Vは、TVCMを含めて「海や山」よりも「林立する高層ビルの谷間」を舞台として狙っており、まさに現在のSUVにつながるキャラクターだったのです

 当然、CR-Vの人気も非常に高くなり、1998年には前輪駆動モデルが、その後横滑り防止装置搭載モデルが追加され、需要に応えていきました。

 CR-Vは、その2001年、2006年、2011年、2016年とフルモデルチェンジを重ねていきました。

 2006年以降はよりボディが大型化されてプレミアムクラスへと移行。現行モデル(5代目)は1.5リッターターボエンジンと2リッターエンジン搭載のハイブリッドモデル「e:HEV」を搭載し、ヴェゼルの兄貴分として販売されています。

 しかし、2022年内に国内販売を終了するともいわれており、今後の動向が注目されるモデルのひとつといえます。

●スバル フォレスター

 スバル「フォレスター」は1997年2月に発売されました。

 一説によると2代目「インプレッサ」として登場するモデルだったようで、インストルメントパネルは当時マイナーチェンジを受けたインプレッサと同一の形状でした。

 一方でクルマのキャラクターは他車とは一線を画すもので、イメージはちょうど1990年代半ばに注目された、GM社製SUVの「タイフーン」、同じくトラックの「サイクロン」にも似た雰囲気になっていました。

 他車がライトな雰囲気を目指す一方で高出力エンジンとスポーツ性能を重視するなど、フォレスターは当時のスバルらしさあふれるSUVだったといえます。

 フォレスター最大の特徴となるエンジンは、2リッター水平対向ターボ(EJ20G型)です。

 最高出力は250馬力/31.2kg・mで、同時期のインプレッサ用エンジンと比較すると、やや低回転寄りの出力特性に変更されています。

 とはいえSUVとしては異例の高回転、高出力型エンジンで、フォレスターをまるでスポーツカーのように走らせるものでした。

 もちろん、SUVとしてレジャーに使用する人のために、2リッター水平対向自然吸気仕様もあり、こちらは135馬力/18.5kg・mと、ごく普通の乗用車としての性能でした。

 さらにフォレスターを象徴していたのは、低い地上高と低い全高です。

 全長4450mm×全幅1750mm×全高1580mmと、RAV4やCR-Vと比較すると低く幅広であることがわかります。

 4WDは、MTがセンターデフとビスカスカップリング式LSDの併用、ATは初代「レガシィ」で培ったアクティブトルクスプリット式を採用し、駆動力制御もレガシィ、インプレッサ譲りのオンロードカー的な方式です。

 フォレスターはハイパワーエンジンと低い車高、4WDシステムを活かし、スポーツカー的に舗装路を速く走るSUVという性格となりました。

 販売も好調で、期間中に2.5リッター自然吸気エンジンと2リッターリーンバーンエンジンを追加したり、ターボエンジンモデルにはエアロパーツを装着し、車高を下げた「S/tb STi」などを追加しました。

 その後フォレスターは、2002年、2007年、2012年、2018年とフルモデルチェンジを重ねています。

 2007年モデルからは地上高を上げた本格的SUVへと移行。

 2018年に登場した5代目となる現行モデルでは、当初2.5リッター自然吸気エンジンと2リッターハイブリッドの「e-BOXER」が設定されましたが、2020年に自然吸気エンジンを廃止。その代わりに新開発の1.8リッターターボエンジンを追加し、現在に至っています。

※ ※ ※

 今回紹介した3台は、この少し前から流行していた三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」の「SUVの都会的傾向」をさらに押し進め、舗装路の走行を基本に置いて登場しました。

 いずれもシャシやサスペンションを乗用車ベースとしたために、高い剛性と柔らかい乗り心地、優れた舗装路走行性能を両立し、快適性も大幅に向上。

 さらにFFモデルやフォレスターの高回転高出力エンジンや低い地上高など、荒れ地の走破性能を考慮しない要素の先駆者にもなったのです。

 そして乗用車に近い性格は、乗用車から乗り換える人にも抵抗感なく受け入れられ、SUVの普及に一役貢献したのではないでしょうか。

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