スキーをしない一般の人もこぞって購入!? SUV人気に一役買った元祖的存在3選
昨今ブームのSUVですが、登場した当初は「ジープみたいなクルマ」と、一部の人しか選ばない時期もありました。今回は、SUVを一般の人にも普及させた元祖的存在を紹介します。
1990年代半ばから発生したSUVブームとは
2021年もSUVブームが続きましたが、5年ほど前まではハッチバックの地上高を上げただけのようなクルマである「クロスオーバー」のブームといわれていました。
ブームはずっと同じようで、実際には世の中の動向や消費者の好みに合わせて少しずつ変化しています。
SUVブームの経緯は諸説あり、「地上高が高い乗用車」ブームとしてとらえると、これまで5回ほどあったようです。
スキーをしない人でもSUVを買うようになったのは、1995年前後のトヨタ「RAV4/ハリアー」が登場したころでしょう。
今回は一般の人がSUVを選ぶようになった頃に人気を博し、現在も続くSUVの先駆者といえるモデルを3車種紹介します。
●トヨタ「RAV4」
トヨタ「RAV4」は、3ドアのショートボディで1994年5月に発売されました。
それまでのSUVは、野性味あふれるクロスカントリー車に、乗用車的な内外装やATを追加することで徐々に普及しましたが、RAV4は一気に「ライトクロカン」らしさを強めたのです。
ボディはモノコック構造を採用。ボディサイズは、全長3695mm×全幅1695mm×全高1655mmと、全長が短く相対的に幅が広いために「チョロQ」を思わせるバランスで、女性にも親しまれるスタイルでした。
エンジンとトランスミッションは横置きで、135馬力/18.5kg・mの2リッター直列4気筒(3S-FE型)を搭載し、おとなしい性格のもの。
駆動系は、MT車にセンターデフ式フルタイム4WDにデフロック機構を装着、AT車はセンターデフと油圧多板クラッチを併用する、ECハイマチック式フルタイム4WDを採用していました。
これまでのSUVはパートタイム4WDを採用して高い走破性を誇っていたのですが、RAV4は悪路走破性をやや犠牲にする代わりに、エンジンや駆動系を安価な乗用車ベースのシステムとして価格を抑えていたのです。
さらにスタイルの点からも、3ドアのRAV4は一種のクーペやハッチバック的なパーソナルカーの性格に近かったといえます。
そしてRAV4は同時期のアウトドアブームに乗り、アウトドア初心者の人気を得ていったのでした。
さらに、多人数でも快適に乗りたい要望に応えるために、1995年4月には5ドアのロングホイールベースモデルを追加。
そして1996年8月のマイナーチェンジでは、ハイパワーモデルとして165馬力の2リッターエンジン(3S-GE型)を追加、1997年9月にはFFモデルと3ドアソフトトップモデルを追加して、ワイドバリエーションを図っていきます。
このマイナーチェンジのときに、前後バンパーにエアロスポイラーやサイドスカートを装着した、エアロスポーツパッケージを追加、地上高が高いSUVながら、走りのイメージを強化するような変更がおこなわれたのです。
1998年8月には3S-GEエンジンを180馬力にパワーアップし、スポーツ性能すら得ていったのでした。
その後、RAV4は2000年と2005年にフルモデルチェンジを受け、代を追うごとにサイズアップと高級化が進み、徐々に存在感が低下していってしまいました。
日本国内では2016年には販売終了となり、4代目は海外のみで販売。2019年に現行モデル(5代目)が国内で復活し、ワイルドさを兼ね備えたSUVとして大人気となっています。
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