日本のEVは「家電と同じ轍」を踏むか 押し寄せる中国メーカー パクリの時代は終わった?

中国の自動車メーカー、第一汽車が日本に上陸。2022年夏にはEVも日本で導入するといいます。日本国内のEVは、家電のように中国メーカー製に取って代わる日が来るのでしょうか。

中国の大手自動車メーカーの店舗が日本に上陸

 中国の大手自動車メーカー、第一汽車がついに日本上陸を果たしました。2021年12月19日、大阪の難波に日本国内初店舗をオープンさせ、プレミアムブランド「紅旗」のセダン「H9」を展示していました。

 同社関係者は詰めかけた報道陣に対して「2022年夏にはEVも日本で導入する」といいます。

 このニュースを受けて、ネット上では「EVも家電みたいに、これから一気に中国製の時代が来るのでは?」とか「一気に価格が下がるのでは?」といった声が聞かれます。

 本当にそうしたことが起こるのでしょうか。

高級感漂う紅旗の最上級モデル「H9」
高級感漂う紅旗の最上級モデル「H9」

 まず、なぜこのタイミングで第一汽車が日本に上陸したのかを考えてみたいと思います。

 第一汽車はその名の通り、中国において第一の(重要な)自動車メーカーのひとつだといえます。

 今では生産台数も販売台数も3位の日本と2位のアメリカを大きく引き離して1位独走体制となっている中国ですが、中国が本格的に乗用車生産を手掛けたのは、1950年代後半の第一汽車が最初です。その際、中国要人向けのリムジンとして紅旗ブランドが誕生しました。

 その後、第一汽車は独フォルクスワーゲンとの合弁事業を始めます。ドイツ政府としては、共産国家に対する国家安全保障上のカントリーリスクを十分に検討したうえで、将来の巨大市場へ積極的に投資したといえるでしょう。

 結果的に、他の欧州勢、アメリカ製、そして日本製に対して、フォルクスワーゲンは中国市場における先行者利益をモノにしました。

 一方で、中国政府が海外自動車メーカーの中国での自動車生産に対して、資本参加比率を最大50%(のちに変更)としたことで、第一汽車はフォルクスワーゲンから多くの技術を学ぶことができたともいえます。

 第一汽車はトヨタとも合弁事業を設立しているため、ハイブリッド車関連技術やトヨタ生産方式など多岐にわたりトヨタから学んできました。

 このように第一汽車は、中国政府として中国自動車産業の代表格として位置付けられる存在であり、その第一汽車が単独ブランドとして日本に進出することは、中国国内での第一汽車の名声をさらに高める効果があります。

 また、EV化が急加速する欧州市場やアメリカ市場に対しても、日本進出は大きな意味を持つはずです。

 今回の第一汽車の日本上陸は、日本市場を含めてグローバルでのEVシフトが本格化する直前という絶妙のタイミングだといえるでしょう。

 表現を換えれば、中国政府としては、中国地場メーカー製のEVが世界に向けて羽ばたくための「機は熟した」と考えているのだと思います。

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