「AT限定解除」って結構高い? 普通免許取得の場合より4万円以上割高に
クルマの免許を取得するのに、MT車とAT車のどちらも運転できるものと、AT車のみの運転が認められた「AT限定免許」を選ぶことになります。では、AT限定を途中で解除する場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。
AT限定を取得する人が半数以上!でも、限定解除のケースも多い?
クルマやバイクを運転するためには、「普通自動車第一種運転免許」(以下、運転免許)を取得する必要があります。
クルマの運転免許には、はMT車とAT車のどちらも運転できるものと、AT車のみの運転が認められた「AT限定免許」です。
クルマの免許を取得した人、これからの取得を目指している人であれば「どちらの免許を取得するか迷った!」という経験もあるかもしれません。
昨今では運転免許を取得するために自動車教習所に通うのが一般的ですが、入学の際にAT限定のコースか、MT車・AT車どちらも運転できるコースかを選択することになります。
基本的にAT限定のほうが授業料が安く、都内ではAT限定ではおよそ28万円、普通免許では30万円ほどが相場です。
授業の最短コマ数はMT車のほうが多く、道路交通法などを学ぶ「学科」は共通の26コマですが、実際に運転をおこなう「技能」はAT限定が31コマ、MT車が34コマとなっています。
東京都内の自動車教習所の担当者は、AT限定と普通免許の割合について「当教習所では半分以上の人がAT限定を選択しています」と話します。
警察庁が公表している「運転免許統計」によると、2020年に普通自動車第一種運転免許を受験している人は158万7700人でした。
そのなかでAT限定を選んでいる人は111万3229人となっており、全体の7割以上を占めています。
一方で、社用車がMT車だったり、仕事の都合でMT車に乗る機会があったり、クルマを運転しはじめたらMT車に乗ってみたくなったりと、特定の事情によってAT限定から普通免許へ「限定解除」をおこなうケースもあります。
前出の自動車教習所の担当者は、限定解除の事例について「特段珍しいケースではありません」と話します。
では、限定解除をおこなってMT車を運転できるようになる場合と、もとから普通免許を取得していた場合では、どちらのほうが費用を抑えられるのでしょうか。
前出の担当者は「教習所で限定解除のコースに通う場合、再度入学金がかかるため費用がかさむことがある」といいます。
実際に費用を算出してみると、前述の授業料には、それぞれ、免許センターにおいて免許取得の最後のステップとしておこなう「本免試験」の費用が加算されます。
普通自動車第一種運転免許の場合の費用は、一律で試験手数料3350円、免許交付手数料2050円の合計54000円がかかるため、取得までの費用は、普通免許が約30万5400円、AT限定が約28万5400円となります。
一方で、限定解除にかかる費用は、教習所によって異なるため一概にいえませんが、都内の教習所の場合はおよそ6万円となっており、そこに、免許センターでの審査手数料が2850円加算されるため、限定解除単体で必要な費用は6万2850円になります。
前述のAT限定の取得費用の28万5400円に加算すると、限定解除にかかる費用は合計34万8250円ほどとなり、最初から普通免許を取得していた場合に比べると、限定解除のほうが4万2850円ほど高くなります。
※ ※ ※
また、授業のコマ数で考えても、限定解除が4コマとなっているため、最初から普通免許を取得する場合より通算で1コマ分多くなります。
このように、費用やコマ数を考えると、MT車に興味があったり、運転する可能性が少しでも感じられたりした場合には、最初から普通免許を取得したほうがお得かもしれません。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。