なぜホンダ「ステップワゴン」がバイク乗りから支持される? ファミリーカーじゃないミニバンの使い方

新型が登場間近のホンダ「ステップワゴン」。現行モデルではその傾向が減ったものの、一時はバイクを趣味とする人がホンダ「ステップワゴン」を選んでいたのですが、それはなぜなのでしょうか。

ミニバン市場がアツい! 2022年に新型車が続々登場!

 最近のSUV人気で隠れがちですが、相変わらずミニバンの人気も続いています。

 とくにミドルクラスのミニバンは実用性と維持費と広さのバランスが絶妙で、ファミリーユースはもちろん、発想次第では自由にその広さを生かすことができます。

箱型を強調した新型ステップワゴン(2022年春発売予定・6代目)
箱型を強調した新型ステップワゴン(2022年春発売予定・6代目)

 そんななか、ホンダ「ステップワゴン」を選ぶバイク好きが多いというのですが、それはなぜなのでしょうか。

 実際、バイクでオフロードを走ることを趣味とする人などがステップワゴンの室内を改造し、「トランスポーター(トランポ)」として活用しているといいます。

 2022年春に新型ステップワゴンが登場することがアナウンスされており、さらにはトヨタ「ノア/ヴォクシー」も2022年1月に新型へとフルモデルチェンジします。

 ミドルサイズミニバンが注目される今、バイク乗りをも惹きつけるステップワゴンの魅力について検証してみます。

 現在のステップワゴンは「フリード」の兄貴分のような立ち位置ですが、ホンダのラージサイズミニバン「オデッセイ」が2021年12月に生産終了することを受けて、今後はより幅広い層にアピールする必要がありそうです。

 過去を振り返ると、1990年代後半からはじまったミニバンブームにおいて、当時はキャブオーバー(1BOX)を改良したモデルが多かったなか、乗用車と同じコンポーネンツを活用し「クリエイティブ・ムーバー」の第3弾として1996年に初代ステップワゴンが登場しました。

 今ではFFレイアウトとボンネットがあるハコ型ボディは一般的ですが、当時のミニバンとしては少数派だったFFレイアウトを採用したことで低床化をいち早く実現。

 さらにバックドアの開口部も広く、スクエアな形状のボディの恩恵もあって、ラゲッジスペース内の出っ張りも小さいのが特徴でした。

 ほかのミニバンがファミリーユースを念頭にした展開に対し、ステップワゴンは自由に遊べる雰囲気を演出したのも功を奏してヒットモデルとなったのですが、これに目をつけたのがバイク愛好家です。

 しかもナンバーのつかない競技用バイクなどをオフロードで走らせる人がステップワゴンに着目し、バイクを積載して運搬するトランポとして活用するようになりました。

 トランポはバイクを積載できるクルマなら何でも構わないのですが、たとえば軽トラの場合は荷台に積めても雨風はしのげません。

 トヨタ「ハイエース」を活用する人も多く人気がありますが、価格が高いというのが少々ネックとなります。

 また、ほかのミドルサイズミニバンはキャブオーバーのFRベースのため床が高くて積載しにくいという物理的な部分と、ホンダは世界的に二輪メーカーとしても知られており、心理的な側面においてもステップワゴンがバイク好きに刺さるポイントだったのでしょう。

※ ※ ※

 2022年春にフルモデルチェンジして登場する6代目では、初代や2代目のようなスクエアなスタイルとなることがわかっています。

 カスタム仕様のスパーダは継続採用される予定で、新たに「AIR」という仕様を展開。ガソリン車とハイブリッド車(e:HEV)が用意されるようです。

 内装の質感もアップし、クリーンで上質感のある室内を実現。2列目のキャプテンシートにはオットマンが装備され、運転席まわりはボタン式のシフトやメッシュタイプのエアコン吹き出し口など、ホンダの最新デザインが取り入れられます。

【画像】低床&箱型のステップワゴンがバイクと相性◎! 2022年春登場の新型モデルはどんなデザイン?(22枚)

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