なぜ? 日産が新型「エクストレイル」発売後に旧型を発表 他車種と異なる事情とは
新旧併売は中国ならではだが…エクストレイルは特殊?
今回新たに「エクストレイル オナー」として復活した3代目は後ろに「HONOR」のエンブレムがつく以外は、外装はまったく変わっていません。
ただ、パワートレインは2.5リッターが廃止され、2リッターのみの設定となりました。
ちなみに販売価格は4代目より劇的に安いというわけではありません。
東風日産が販売している4代目は18万1900元(邦貨換算:約325万7000円)から26万2900元(約470万4000円)となっています。
対して、鄭州日産が販売する3代目は18万9300元(約338万9000円)から19万2800元(約345万2000円)と、単に最上級グレードで比較すれば安いですが、ベースグレードは4代目が若干安くなっています。
中国では新型モデルと並行して旧型モデルの販売をおこなうのは普通のことですが、今回のエクストレイルの件に関しては他と比べ、少し異質です。

例えば、トヨタは2018年11月に一汽トヨタ(第一汽車との合弁)の「カローラ」、広汽トヨタ(広州汽車との合弁)の「レビン」をフルモデルチェンジさせましたが、それに先駆け、2018年4月に発表した先代「カロー//レビン」となる「双チン E+(中国市場におけるトヨタのPHEV商標)」モデルも2019年に販売を開始し、現在でも併売しています。
日産も新型モデルの「シルフィ」を2019年4月に発表する1年前、旧型モデルのシルフィをベースにした「シルフィEV」を発表し、現在まで両モデルの販売をおこなっています。
また、フォルクスワーゲンに関していえば、上汽フォルクスワーゲン(上海汽車との合弁)は2018年登場の3代目「ラヴィダ(朗逸)」を11万2900元(約202万1500円)から販売していますが、先代モデルを廉価モデルとして9万9900元(約178万9000円)から販売しています。
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このように、ほかのモデルを見れば、どれも「新能源車(新エネルギー車)」として生まれ変わらせて併売するか、現行モデルよりも大幅に安い廉価モデルとして併売するかがほとんどです。
しかし新たに販売が始まった3代目エクストレイルはそのどちらも該当しないため、そういった点ではかなり異質であると考えられます。
4代目エクストレイルに関して、日産はe-POWERを搭載したモデルの投入をすでに予告しています。
そのため、現状の3気筒エンジンしか選べない状況は、この新エネルギー車の登場によって確実に変わり、人気もまた復活することになるのではないかと考えられます。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。












































