アウディ「e-tron GT」は兄弟車ポルシェ「タイカン」とどう違う? RSモデルに走ってわかった個性とは
抜群に良いシートで長距離ドライブも疲れ知らず
RS e-tron GTはクワトロなので、前後にモーターが付いています。前は1段ギア、後ろは2段ギアです。
ダイナミックでは操舵力が重くなり、ハンドルの手応えが強くなります。個人的には操舵力だけ比べるとやや軽めのコンフォートか軽いエフィシェンシーのほうが好きです。
EVのため、アクセルペダルを戻したときに回生ブレーキが効きます。e-tron GTはハンドルの裏にある左右のパドルでその強さを調整することができます。
回生は3段階で、強い回生/弱い回生/回生なしとなります。スピードメーターの左側にアクセルペダルを踏み込むと上がり、回生時にはCHARGE方向に下がるバー表示のメーターがありますが、現在どの回生モードなのかもここでわかります。
強い回生にすると、いわゆるワンペダルドライブに近いことができます。ただしアクセルオフだけではクルマは停止まではいかないため、完全なワンペダル操作ではありません。
このモードは、ドライバー1人のときには問題ないのですが、同乗者がいるときにはクルマ酔いを誘発するので使わないほうがいいでしょう。かなり高度な運転(アクセルコントロール)が要求されるからです。
今回の試乗では、アクセルペダルを床まで踏むシーンはありませんでした。半分まで踏んでも十分刺激的な加速力を味わえました。
ある意味で、過剰なほどの力を秘めているということでしょう。さすがはRSです。そのパフォーマンスの全部を使い切れないとしても、それがロングドライブでは余裕になり、疲れを知らない旅ができるのだと思います。
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疲れを知らないロングドライブを後押しするのは、RS e-tron GTのシートです。これは抜群に良いシートで、とくに腰のホールド感が素晴らしく、自然に骨盤が起きた状態になり、快適な姿勢を保てます。
ブレーキは、ブレーキング中にさらに踏み増したときの制動感がリニアでないところが気になりました。立ち上がりは悪くないのですが、踏力と制動力がGの高いところで比例していない感じです。もちろん絶対的な制動力は十分で、あくまでこれは感覚的なものです。ブレーキダストが少ないブレーキシステムになっているようですが、そのあたりの影響かもしれません。
まずはそのスタイリングに惚れて買う、という人がいてもおかしくないカッコ良さですが、RS e-tron GTは乗って走っても後悔はしないクルマです。
Audi RS e-tron GT
アウディ・RS e-tron GT
・車両価格(消費税込):1799万円
・全長:4990mm
・全幅:1965mm
・全高:1395mm
・ホイールベース:2900mm
・モーター:2モーター
・駆動方式:クワトロ(4WD)
・システム最高出力:440kW(ローンチコントロール時475kW)
・システム最大トルク:830Nm
・トランスミッション:フロント1速・リア2速
・タイヤサイズ:フロント245/45R20、リア285/40R20
・一充電走行距離(WLTCモード):534km
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