マツダRX-VISION、なぜそれほど注目されるのか 自動車ファンの熱い想い
現在開催されている「第44回東京モーターショー2015」で、マツダの「RX-VISION」が高い注目を集めています。なぜ自動車ファンたちは、それほどこのクルマに興奮するのでしょうか。
マツダ「ロータリー四十七士」による努力で
2015年10月29日(木)より開催されている「第44回東京モーターショー2015」では、マツダが発表したコンセプトカー「RX-VISION」が高い注目を集めています。プレスデイ初日の朝一番、8時30分から開始されたプレスコンファレンスには、早朝にも関わらず、アンヴェールの瞬間をひと目見ようと取材陣が殺到。撮影用のセットから転がり落ちそうな人も出るほどの熱気のなか、1台の赤いボディのスポーツカーがお披露目されました。
この「RX-VISION」、どうしてここまで注目を浴びているのでしょうか。その理由としてまず挙げられるのは、搭載エンジンです。
現在、ほとんどの自動車は「レシプロエンジン」と呼ばれるものを採用しています。ピストンの往復運動から回転力を得る、いわゆる“普通の”エンジンです。
一方で、「RX-VISION」が採用している「ロータリーエンジン」は、楕円の金属ケースの内部で、“おむすび”と称される柔らかい三角形のローターを回転させて動力を得るもの。全く違った構造をしています。
このロータリーエンジンは開発過程で様々な難問がありましたが、「ロータリー四十七士」と呼ばれた研究部の努力により、マツダが実用化に成功。1967(昭和42)年に発売された「コスモスポーツ」は、世界で初めて量産型のロータリーエンジンを搭載したスポーツカーで、翌年にはドイツで84時間の耐久レースに参戦。総合4位を獲得しました。
マツダはその後も「カペラロータリー」や「サバンナRX-7」といったロータリーエンジン搭載車を登場させますが、2003(平成15)年デビューの「RX-8」以降は、新たなモデルが発売されていません。