重くても速くてカッコよければいいじゃん! ヘビー級の高性能車3選
速く走ることを追求したスポーツカーは、ハイスペックなエンジンの搭載や優れた足まわりだけでなく、軽量化も重要な要素です。しかし、スポーツカーながら重いクルマも存在。そこで、ヘビー級の高性能車を、3車種ピックアップして紹介します。
1.7トンクラスのヘビー級高性能車を振り返る
スポーツカーというと高出力のエンジンを搭載し、優れた足まわりとブレーキを採用することで、走行性能や運動性能を高めています。さらに車体の軽量化も、スポーツカーには重要な要素です。
車体を軽くすることはクルマが「走る・曲がる・止まる」のすべての性能に良い影響を与えます。
なかでも、とにかく速く走ることに特化したピュアスポーツカーでは、余計な装備を削除したり、高価な素材を使って軽量化を実施しています。
一方で、ハイスペックなスポーツカーながら、車体が重いモデルも存在。
そこで、ヘビー級の高性能車を、3車種ピックアップして紹介します。
●三菱「GTO」
1990年に、三菱はフラッグシップスポーツカーの「GTO」を発売しました。
アメリカ市場を意識したGTカーとして開発されたGTOは、全長4555mm×全幅1840mm×全高1285mmのワイド&ローな3ドアファストバッククーペで、迫力あるフォルムは、まさにフラッグシップにふさわしいものでした。
トップグレードに搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒DOHCツインターボで、最高出力280馬力を誇り、駆動方式はフルタイム4WDを採用。トランスミッションはゲトラグ製の5速MT(後期型は6速MT)が組み合わされ、4WSや電子制御サスペンションなど、先進技術も投入されていました。
スポーツカーらしいデザインの外観や、オールラウンドな走りが期待できる4WDのGTOは大いに魅力的な存在でしたが、車重は1700kg(ツインターボ)とかなりの重量級でした。
そのためブレーキへの負担増は否めず、ツインターボでは日本車で初のアルミ製4ポッド異径対向ピストンブレーキキャリパーを採用。さらに1992年のマイナーチェンジではブレーキディスクを17インチ化し、リアブレーキに対向2ポットキャリパーが装着されました。
さらに1994年のマイナーチェンジでは、4WS、オートクルーズ、フォグランプ、ABSなどをオプション設定として60kg軽量化した「GTO ツインターボMR」が登場。
レーシングカーにも採用されたAP社製6ポッドブレーキキャリパーがオプションで設定されるなど、常にブレーキ性能の向上に努めていました。
●日産「GT-R」
2007年に登場した日産「GT-R」は、最高出力480馬力を誇る3.8リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンと、新開発の4WDシステムを搭載し、高いコーナリング性能と300km/h以上のトップスピードをマークするなど、イタリアンスーパーカーに匹敵する性能を実現。
一方で、1000万円を大きく下まわる価格設定から、異例のコストパフォーマンスを誇るモデルとして世界的にも高く評価されました。
すでに発売から14年を経過したGT-Rですが、操縦性や信頼性、乗り心地に至るまで繰り返し改良がおこなわれ、さらに段階的にパワーアップも図られており、最新のモデルでは最高出力570馬力を発揮します。
2021年9月には2022年モデルが発表されましたが、専用カーボンセラミックブレーキやカーボン製リヤスポイラーを装着した特別仕様車の「GT-R Premium edition T-spec」「GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」が、両モデルあわせて100台限定でリリースされるなど、まだまだ進化が止まりません。
このGT-Rのスタンダードグレードである「Pure edition」では、車重が1760kgとかなりの重量級です。
しかし、この重量もメカニカルなトラクション性能には重要な要素で、この重さに対応したタイヤやブレーキ、足まわりのセッティングとなっていることから、高い運動性能を誇ります。
●レクサス「RC F」
2021年12月14日に、トヨタは2030年までにレクサスをEV中心としたブランドへシフトすると発表しました。
一方、現行モデルではまだまだ高性能なガソリン車もラインナップされており、非日常といえる高性能なモデルが「RC F」です。
RC Fは歴代の「F」シリーズと同じく、サーキット走行も視野に入れて開発された生粋のFRスポーツカーです。
エンジンは最高出力481馬力を誇る5リッターV型8気筒自然吸気を搭載。トランスミッションは2速以上のギアすべてでロックアップでき、最短0.1秒の変速速度を可能にした8速ATが組み合わされます。
ボディサイズは全長4710mm×全幅1845mm×全高1390mmという体躯で、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムながら、サイドビューは美しいシルエットを実現しています。
さらに“Performance package”を設定しており、カーボン製のフロントスポイラーとリアウイングが装着され、アグレッシブなスタイリングに変貌をとげ、ハイスピード領域では高い空力性能を発揮。
現在、世界的にも貴重な存在である大排気量の自然吸気エンジンを搭載したRC Fですが、その分重量もかさみ、スタンダードモデルは1770kgと2WDながらGT-Rを上まわります。
しかし、ブレーキはフロントが対向6ポッド、リアが対向4ポッドのキャリパーが奢られ重量増に対応しており、さらに“Performance package”ではカーボンセラミックブレーキを標準装備するなど、サーキットでのパフォーマンスについては抜かりありません。
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かつて、軽量なクルマというと1トン未満というイメージでしたが、近年は1.5トンを切れば軽量なクルマとして認識されています。
最新モデルではさまざまな安全装備や快適装備を標準で搭載するようになって、重量増は避けられないため、「軽量」の基準も変化したといえるでしょう。
しかし、ブレーキやタイヤの進化も目覚ましく、車体の姿勢制御に駆動力制御が介入することで重量級のクルマでも十分なコーナリング性能や制動性能が得られるなど、技術的な進歩によって重量増は大きな問題となっていません。
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