なぜ日本で売らないの? かなりイケてる「海外専用SUV」3選

今やSUV人気は世界的なムーブメントになっており、まだまだ人気に陰りが見えません。国産メーカー各社も、日本のみならず海外でも積極的にSUVを販売していますが、なかには日本で販売していないモデルも存在。そこで、日本でも需要がありそうな海外専用のSUVを、3車種ピックアップして紹介します。

日本で売っていないのが実に惜しい海外専用SUVを振り返る

 世界的にSUV人気が続いていますが、今や新型車の多くがSUVで占められており、もはやブームといっても過言ではありません。

日本で売れば人気となりそうな海外専用のSUVたち
日本で売れば人気となりそうな海外専用のSUVたち

 日本においては1990年代の初頭に、現在のクロスオーバーSUVの基礎となるモデルが確立されました。

 当時はまだSUVという言葉は定着していませんでしたが、その後、SUVの人気が高まるにつれ、車種も多様化して今に至ります。

 国産メーカー各社は日本のみならず海外でも積極的にSUVを販売していますが、なかには日本で販売していないモデルも存在。

 そこで、日本でも需要がありそうな海外専用モデルのSUVを、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「ジムニー ライトコマーシャルビークル」

欧州で販売されている2シーターの「ジムニー ライトコマーシャルビークル」

 2018年7月の発売から丸3年が経過しても、まだ長期の納車待ちが続いているほど人気なのが4代目「ジムニー」です。

 軽自動車では唯一無二の本格的なクロスカントリー4WD車であり、現行では「ジムニーシエラ」に相当するモデルが欧州や中南米、中東、アフリカなど海外でも販売されるなど、グローバルカーとなっています。

 国内仕様のジムニーは2021年9月に安全装備の一部仕様変更がおこなわれましたが、今のところグレードの拡充などの動きはありません。

 一方、欧州では、2020年9月に早くも派生車として「ジムニー ライトコマーシャルビークル」が登場。車名のとおり商用車として開発されたモデルです。

 外観は日本のジムニーシエラのエントリーグレード「JL」と同等の意匠ですが、室内はリアシートを撤去して後席部分はすべて荷室に変更されています。

 また、フロントシートと荷室の間には乗員を保護する格子状のパーテーションが設置され、荷室はフラットな床面を採用するなどによって863リッターと、実用的にも十分な容量を確保しています。

 パワートレインやドライブトレインはジムニーシエラに準じており、エンジンは1.5リッター直列4気筒でトランスミッションは5速MTのみです。

 なお、ジムニー ライトコマーシャルビークルのような2シーターの商用バンは、欧州では税金の優遇などもあって古くから存在し、トヨタ「ヤリス」や「ランドクルーザープラド」、ランドローバー「ディフェンダー」などにも設定されています。

 日本でもソロキャンパーや釣りの相棒として、愛犬とのドライブなどで需要がありそうです。

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●ホンダ「WR-V」

「フィット」ベースながら本格的なSUVに近い作り込みの「WR-V」

 国内メーカーは諸外国や地域のニーズに合わせたクルマを開発するために、工場だけでなく世界各地に開発拠点となる研究所を設立し、独自の車種を販売しています。

 そのなかの1台が2017年に発売されたホンダのコンパクトSUV「WR-V」です。ブラジルの“Honda R&D Brazil”によって開発され、南米各国で販売されています。

 WR-Vは3代目「フィット(海外名はジャズ)」のFF車をベースとしており、現行モデルの「フィット クロスター」よりも本格的なSUVに仕上げられ、2021年10月にはデザインが改良されました。

 ボディサイズは全長4000mm×全幅1734mm×全高1599mmと全幅が拡大され、最低地上高のアップとルーフレールによって全高も高くなっています。

 ベースのフィットから大きく変更されているのがフロントセクションで、力強いSUVらしさあふれるフロントフェイスなだけでなく、ボンネットからフェンダーに至るまですべてフィットと異なるデザインを採用しています。

 また、前後バンパー下部はスキッドプレート状のデザインとされ、4輪のフェンダーアーチとサイドステップは素地の樹脂パーツを装着するなど、SUVらしさを表現。

 エンジンは1.5リッター直列4気筒SOHC i-VTECを搭載し、ブラジルならではといえるガソリンとエタノールのどちらの燃料にも対応した「バイフューエル」です。

 なお、WR-Vはインドでも販売しており、こちらはインドで生産された1.5リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンも設定されています。

●スバル「フォレスター ウィルダネス」

本格的なクロカン車並にオフロード性能を追求した「フォレスター ウィルダネス」

 スバルは1997年に、都会的なクロスオーバーSUVの初代「フォレスター」を発売しました。他メーカーのSUVがまだクロカン車のイメージを残すなか、フォレスターはスタイリッシュなステーションワゴンタイプのボディに、オンロード性能を重視しており、ユーザーニーズを捉えてヒット作になりました。

 その後、2007年に登場した3代目からは一転してオフロード性能も考慮し、デザインもよりSUVらしい力強いデザインとなり、現在の5代目にも継承されています。

 そして、5代目においてスバルは、2021年9月2日に「フォレスター ウィルダネス」を北米市場で発表。2021年3月に発表した北米専用車の「アウトバック ウィルダネス」に続く、ウィルダネスシリーズ第2弾です。

 ウィルダネス(Wilderness)とは日本語で「荒野」を意味します。フォレスター ウィルダネスは悪路走破性を重視しており、サスペンションに専用コイルスプリングを採用することで、最低地上高をベースの8.7インチ(約220mm)から9.2インチ(約233mm)までリフトアップ。

 外観は、ブラックカラーの樹脂製プロテクションパーツをボディ全周にわたって装着し、立体的な造形でワイルドなイメージ表現するとともに、車体を保護する機能性も備えています。

 内装は、イエローをアクセントに、ブラックとグレーのカラーコーディネートを採用。アウトドアでも気兼ねなく使えるようにと、撥水性のある表皮を使用しています。

 搭載されるエンジンは、最高出力185馬力を発揮する2.5リッター水平対向4気筒で、ファイナルギヤ比をローギヤ化したリニアトロニックCVTを組み合わせることで駆動力の向上が図られています。

 タイヤもオフロードでのグリップを重視したオールテレーンタイヤ(ヨコハマ ジオランダー)を装着。

 フォレスター ウィルダネスはクロカン車に近い悪路走破性を実現した、稀有なクロスオーバーSUVといえます。

※ ※ ※

 近年、アメリカでは、車中泊やキャンプをしながら移動の行程を楽しみつつ旅をする「オーバーランディング」が流行しています。

 各自動車メーカーもオーバーランド需要に対応したモデルを展開しており、キャンピングカーでは難しいオフロード走行も前提としているため、前出のフォレスター ウィルダネスのその1台といえるでしょう。

 現在のコロナ禍において家族や友人といった小規模な単位で移動することからも、オーバーランディングは最適な旅のかたちであり、ワイルド系SUVが今後のトレンドになりそうです。

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1件のコメント

  1. パジェロスポーツも取り上げてー

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