「お湯はNG」 クルマの窓ガラスが凍ったらどうするべき? 事前事後の異なる対処方法とは
冬場の気温が低い状態などでクルマを運転しようとすると、窓ガラスが凍っていることがあります。そうした場合にはどのような対処方法が適切なのでしょうか。
凍結のガラスにお湯は危険! ガラスメーカーが話す危険な理由とは
冬はフロントガラスが凍結し、すぐに出発できないということもあります。凍結を解消するために、ガラスにお湯をかけても良いのでしょうか。
北海道や東北など雪の降る地域では、クルマで出かける際、ボディの雪下ろしが必須で、エンジンをかけてすぐに出発というわけにはいきません。
そのためクルマを利用する際は、少し早く外に出て雪下ろしをしたり、クルマ周辺の雪かきをしたりと、出発の準備をしているという人がほとんどでしょう。
また、離れた距離からでもクルマのエンジンがかけられるスターター機能を利用して、家を出る前にエンジンをかけておくという人も少なくありません。
このように暖機で時間を節約し、雪下ろしや雪かきも家族と手分けしておこなうなどの方法がありますが、その一方で、なかなか時間がかかってしまうのが、フロントガラスの「凍結」の解消です。
気温が低下するとクルマのフロントガラスは凍結し、前方が真っ白に。エンジンをかけてクルマを温めておいても、解消されるまでかなりの時間を要します。
単純に「気温が低くて凍結している」と考えると、お湯をかけてフロントガラスを温めたら良いのではないかと思う人もいるかもしれません。
凍結したフロントガラスにお湯をかけて解氷するのは、適切な方法といえるのでしょうか。
自動車のガラス製造も請け負うガラスメーカーAGCの担当者は、このことについて以下のように話します。
「冷えたガラスにお湯をかけてしまうと、温度差が激しく、細かい傷や亀裂の部分から割れが広がってしまう可能性があります。
とくに、クルマのフロントガラスは飛び石などによって、目視できないような小さな傷が付いていることもあるため注意が必要です」
これは、クルマのフロントガラスだけでなく、一般的なあらゆるガラスに該当することです。ガラスは急激な温度変化に強い素材ではありません。
例えば、冷蔵庫などでキンキンに冷やしたコップに熱々のお湯を注ぐと、フロントガラス同様に割れてしまう可能性があります。
これには、体積の問題が関係しています。もちろん目視はできませんが、ガラスは冷やされると体積が小さくなり、温められると大きくなります。
じわじわと温度を変化させるぶんには問題ありませんが、一部に急激な温度変化が起こると周りの体積と温度変化が起こった部分の体積に大きなギャップが生まれ、ガラスを構成する組織がその差に耐えられなくなり破損してしまいます。
そのため、フロントガラスにお湯をかけると、お湯がかかった部分とかかっていない部分で瞬時に体積の差が生じ、割れが広がってしまうかもしれないというわけです。
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