道路工事「年度末に多い」はホント? 実は11月が多い? 削減努力進む 昨今の工事事情とは

全体の道路工事も縮減 工事を減らす背景にはさまざな取り組みが

 前出の国土交通省担当者が話すように、全体の工事時間も過去に比べて、現在では大幅に削減されています。

 国土交通省が公表する「全国の直轄国道における道路管理延長あたりの年間路上工事時間」によると、2002年に比べ、2019年は約57%も道路工事の時間が減っています。

 では、17年間で50%以上もの工事時間を削減できた背景では、どのような取り組みがなされているのでしょうか。

 国土交通省の近畿地方整備局はホームページで、道路工事を縮減するためのさまざまな取り組みを紹介しています。

 まず挙げているのが、各関係機関との綿密な計画調整です。道路の掘り返しをなくしたり、最小限にするために、警察、道路管理者、ガス・水道などの事業者の3者が計画について協議します。

年々、目に見える道路工事は減っている?
年々、目に見える道路工事は減っている?

 また、ガス・水道などのライフライン整備を最小限かつ円滑におこなうために、「共同溝」を地下に設置しています。

 この共同溝にライフラインの各基盤を埋め込むことで、掘り返す箇所を道路の1点に集約させます。

 同様の原理で、電線類の一部も地下に埋め込まれています。

 これは、電柱を減らして街の景観を良くするとともに、そのぶん道路を広くとれるため、災害時の避難経路の確保にもつながります。

 さらに、工事期間も関係機関で合わせることで、同じ区間の工事を同じ期間に一斉におこない、期間が短くなるようにしているようです。

 工法も工夫しています。地上ではなく、「推進工法」といった地下で工事をおこなう方法を採用し、道路の規制を最小限におさえています。

 このように、道路工事も日々進化しており、工事時間の短縮はもちろん、ユーザーに負担がかからないよう、工事の方法も工夫されています。

※ ※ ※

 国土交通省のホームページでは、道路工事の情報を配信しており、車線規制や通行止め、対面通行などの規制内容を確認できるようになっています。

 普段よく利用している道路でも、道路工事によって交通状況が変化していることがあるため、あらかじめ工事の状況を把握し、時間に余裕を持って行動するように心がけましょう。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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