日本の軽自動車はどうなる? 電動化時代の幕開けで軽EVは浸透するのか
増える軽EVのラインナップ、各社の動向は
日産と三菱の例を皮切りに、日本の軽自動車規格のEVは加速していくことが予想されます。
例えば、軽自動車を主力商品とするスズキは、補助金込で実質100万円台で購入可能なEVを2025年頃までに発売することが報じられています。
ダイハツも、軽自動車の電動化を進めているといいます。
ただ、ダイハツの場合は一足飛びにEV化するのではなく、まずはEV走行も可能なHVを2023年頃に販売する見込みで、航続距離や価格などの実用面からの判断といえるでしょう。
一方、2040年までにEVおよびFCV専業メーカーになることを宣言しているホンダですが、2021年4月23日に「2024年に軽自動車のEVを投入する」と宣言するなど、軽自動車規格のEV市場に動きが見えていました。
実際に、電動化が進むと、既存の軽自動車とは異なる新しいクルマ(モビリティ)が登場することが予想されています。
また、前述のシーポッドや、出光興産とタジマによって設立された出光タジマEVも、2022年中に小型EVを発表するとしています。
これらのEVは、超小型モビリティに属するものであり、現在販売されている一般的な軽自動車と同等に考えることはできませんが、多くのユーザーの日々の移動を支えるという点においては、活用される余地は十分です。

また、利用方法が限定されやすい商用車のほうが、電動化は早く進むと考えられています。
実際、トヨタ、ダイハツ、スズキは軽商用EVの開発を共同で進めており、乗用車よりも早いタイミングでリリースされる見込みです。
さらに、中国系EVメーカーであるHWエレクトロは、2021年11月に軽自動車規格の商用EV「エレモ」を発表しており、軽商用車の電動化が活発化しています。
現在ではまだ一般的とはいえない軽自動車規格のEVですが、2022年以降、超小型モビリティも含めてさらにラインナップが拡大する見込みです。
航続距離や充電インフラなどの課題は残りますが、それでも多くのユーザーにとってより「電動化」が身近になることでしょう。
※ ※ ※
小型EVのメッカである中国では、日本円にして100万円以下のものも多く登場しています。
もし、そうしたEVが日本へ導入されたら、既存の自動車メーカーにとっては脅威となります。
軽自動車という日本独自の規格ですが、EVの時代は世界と戦わなければならなくなるかもしれません。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。















































