マセラティ第2のSUV「グレカーレ」最速試乗! 2022年登場予定デビュー予定の新型の走りとは
ソリッドな足まわりなのに快適な乗り心地
走り始めてすぐに感じたのは、乗り心地がとても快適なこと。
もっとも、マセラティが作るSUVですから、足まわりがフワフワするということはありません。むしろ、車体をフラットな姿勢に保つソリッドなサスペンションなのですが、不思議なことに荒れた路面を走ってもゴツゴツした印象が感じられないのです。
これは、試乗車がエアサスペンションを装着していた影響もあるでしょうが、それだけでなく、足まわりのセッティングを丁寧におこなった成果といえるでしょう。
結果として、足まわりがソリッドなグレカーレは、コーナーでも思いのままに操れるハンドリングに仕上がっていました。
真っ直ぐ走っている状態から少しハンドルを切っただけでも、自分が思い描いていたとおりにスッと遅れなく曲がってくれる……そんなハンドリングなのです。
しかも、一部のスポーツカーのように、ステアリングの切り始めを極端に敏感にすることなく、あくまでも自然な反応の範囲に留めていないので、ドライバーに緊張を強いることもありません。これも好ましい特性だと思いました。
グレカーレのように「ソリッドな足まわりなのに乗り心地は快適」というクルマを作るには、実はボディ剛性が非常に重要な役割を演じます。
ボディが頑丈であれば、多少硬くても足まわりからの衝撃をしっかりと受け止めることができるので、不快な振動が残らず、「硬いけれど快適」な足まわりを実現できるのです。反対に、剛性の低いボディの場合、乗り心地を諦めて機敏なハンドリングを追求するか、それとも機敏なハンドリングを諦めて快適性重視にするかのどちらかになります。
グレカーレのボディ剛性が高いのは、「ジョルジオ・プラットフォーム」のおかげといえます。
マセラティが属するFCAグループ(現在はPSAと合併してストランティスと名乗ります)で開発されたジョルジオ・プラットフォームは、アルファロメオ「ジュリア」に採用されてデビュー。その後、同じアルファロメオのSUV「ステルヴィオ」にも使われたので、グレカーレが3モデル目となります。
ただしグレカーレへの採用に際して、マセラティはジョルジオ・プラットフォームを大改良。さらにホイールベースを大きく延長したと言明しています。このあたりは、マセラティのプライドといってもいいかもしれません。
300psを生み出す2リッターエンジンもレスポンスが小気味よく、グレカーレのハンドリングとよくマッチしていました。しかも、4気筒らしさを残しつつ、抜けのいい快音を生み出しているところも魅力的です。
マセラティは先ごろミッドシップスポーツ「MC20」を発表したほか、全モデルで電動化を推し進めるなど、ブランドとして大きく変革しようとしています。グレカーレも、これまでのマセラティとはひと味異なる完成度に仕上げられているように思いました。
来春の正式デビューがいまから楽しみで仕方ありません。
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