日野とヤマト運輸「新EVトラック」で実証実験 普免OK 超低床&ウォークスルーで集配がラクに!

ヤマト運輸と日野が小型EVトラック「日野デュトロ Z EV」を用いた集配業務の実証実験を始めます。環境負荷を低減するとともに高い実用性も目指したそうですが、どのような車両を使うのでしょうか。

荷室への移動と乗降がしやすく

 ヤマト運輸と日野は2021年11月22日、日野が開発した小型EV(電気自動車)トラック「日野デュトロ Z EV」を用いた集配業務の実証実験を同年11月24日から開始すると発表しました。

集配業務の実証実験に用いる「日野デュトロ Z EV」
集配業務の実証実験に用いる「日野デュトロ Z EV」

 環境対策の一環として、ヤマトグループは「2050年CO2(二酸化炭素)排出実質ゼロ」を長期目標として掲げ、低炭素車両の導入を進めています。

 日野は、「日野環境チャレンジ2050」で環境負荷ゼロへの挑戦を掲げており、2021年4月には中間目標となる「日野環境マイルストーン2030」を設定。カーボンニュートラルの実現に向け取り組みを加速しています。

 両社は今回の「日野デュトロ Z EV」を用いた実証実験で、温室効果ガスの排出量削減や、集配業務における効率性・作業負荷低減の効果などを確認します。

 車両は、超低床でウォークスルー構造が特徴です。運転席から荷室への移動がしやすく(ウォークスルー)、作業性が向上。また、床面地上高は約400mmと低いため荷室への乗降もしやすく、ドライバーの負担を軽減します。

 車両総重量は3.5t未満、サイズは全長約4.7m×全幅約1.7m×全高約2.3mとコンパクトで、普通免許でも運転が可能。

 40kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高出力50kWのモーターで走ります。高い静粛性を確保し、都市部や住宅街での宅配業務の作業効率も考慮しています。

 安全装備は、誤発進抑制装置(前進・後退)をはじめ、PCS(プリクラッシュセーフティシステム)、電子インナーミラー、車線逸脱警報などを備えます。

 実証実験では、2台が日野日野台センター(東京都日野市)と狭山中央センター(埼玉県狭山市)に配備されます。期間は2022年5月末までのおよそ半年間です。

 ヤマト運輸の執行役員でグリーンイノベーション開発部長の福田靖氏は、「環境に配慮することはもちろん、持続可能な取り組みとしていくには働くドライバーにとって実用性の高い車両でなければいけません。今回の実証期間でその点も検証し、今後導入に向けて検討していきます」とコメント。

「日野デュトロ Z EV」チーフエンジニアの東野和幸氏は、「ヤマト運輸様との実証を通じて、宅配業務の現場でのリアルな要望を聞き、さらにお客様のお役に立つ車に進化させていきたいと考えています」と今後の展望を述べています。

【画像】ヤマト版「日野デュトロ Z EV」の車内&特徴を見る(8枚)

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