ゴツいSUVはなぜ人気? マツダがCX-5と異なる新型「CX-50」発表! イマのSUVトレンドとは

アメリカで流行るものは数年後に日本でも流行る? 昨今のSUV事情とは

 それにしても、北米市場でCX-5が好調な売れ行きを見せているなかで、あえて独立車種にしたのは驚きです。

 RAV4でさえ、「アドベンチャー」というオフロード仕様は1グレードに過ぎません。それには、現在のアメリカのさまざまな事情があります。

 その理由は、アウトドアアクティビティを楽しむ人が大幅に増加し、そのライフスタイルに合ったSUVの需要が十二分に見込めるということです。

 それはライバルたちの成功からも分かります。ヘビーデューティSUVの需要を支えているムーブメントのひとつが、とくにここ数年、アメリカでブームになっている「オーバーランド」です。

 オーバーランドはオーストラリア発祥の車旅スタイルで、クルマにルーフテントやキッチンを積載して、自然のなかを何日もかけて移動するというものです。

 北米には10年ほど前にオーバーランドが上陸しましたが、コロナ禍の影響もあって一大ムーブメントになっています。

 国産タイヤメーカー広報部の担当者はオーバーランドについて、次のように話しています。

「ここ2年ほどオーバーランドブームもあって、弊社のオフロードタイヤの北米での需要は大幅に伸びています。

 豪州などではクロスカントリー4WDを使うことが多いのですが、アメリカはSUVをカスタムして使うのが一般的なようです。

 特にSUV用のサイズがよく出ており、このオーバーランドブームは自動車業界全体に良い影響をもたらしているようです」

トヨタが日本で販売しているRAV4の特別仕様車「Adventure“OFFROAD package”」はオフロードテイストをさらに高めたモデル
トヨタが日本で販売しているRAV4の特別仕様車「Adventure“OFFROAD package”」はオフロードテイストをさらに高めたモデル

 アメリカのオーバーランディングにSUVが使われるのは、インフラも影響しているといい、マツダ広報部の担当者は次のように語ります。

「アメリカは国立公園などでクルマが走れるエリアが整備されており、豪州や南アフリカなどのオーバーランドが流行している地域とは異なり、SUVでも十分に楽しめるようになっていると聞きます。

 ただし、場所によっては厳しい路面状況もありますので、それに十分に対応できるロードクリアランスやAWD性能、さらにはアクティビティに対応できるユーティリティなどを持たせたのが新型CX-50です」

※ ※ ※

 都市型SUVのCX-5でも行けなくはないけれど、より確実な走破性と安全性、さらにはライススタイルがアピールできるデザインを持たせた新型CX-50ならもっとアウトドアアクティビティを楽しめるというコンセプトのようです。

 マツダとしては、都市型SUVはCX-5、オフロードSUVは新型CX-50という棲み分けで、ふたつの基幹モデルを造りたいと、前出の広報担当者は語っていました。

※ ※ ※

 新型CX-50の日本市場導入はないようですが、昨今のジムニーやランドクルーザーの爆発的な売れ行きや、RAV4のオフロード性能を更に高めた「アドベンチャー“オフロードパッケージ”」の発売を例にとってみても、確実に購買層はいるはずです。

 仮に日本で新型CX-50が発売されれば、マツダ会心のヒット商品になるかもしれません。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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