ホイールのブラック塗装が密かなブーム!? スポーティにイメチェンできる人気カスタムの実態

アクリル塗装と粉体塗装のメリット・デメリット

 ホイールをペイントする場合、ボディなどと同じ塗料で仕上げる方法と、より高度な方法で塗装する方法があり、大きく予算が違ってきます。

 通常、カラーチェンジや補修などでボディを再塗装する場合は、「ウレタン塗装」と呼ばれています。一方で金属部などに強力な塗装を施すなら「粉体塗装(パウダーコート)」という手法もあります。

 その辺りをベテラン整備士のT氏に聞いてみました。

新しいタイヤに履き替えるタイミングでホイールをブラックアウト化する人が多い(イメージ)
新しいタイヤに履き替えるタイミングでホイールをブラックアウト化する人が多い(イメージ)

「通常の整備工場でホイールペイントを請け負う場合は、ボディなどと同じ『液体塗料』『溶剤塗料』と呼ばれる塗料で仕上げるケースが一般的です。これは塗料に含まれる溶剤が蒸発(揮発)することで塗料が定着して塗膜が形成されるものです。

 施工時間も比較的短く費用が抑えられる反面、ちょっとした飛び石や接触によってキズが付きやすく、下地(アルミ面)が出てきやすいというデメリットもあります。

 一方で、専用の機材を使うのが、『粉体塗装(パウダーコート)』です。これは粉末状のポリエステル樹脂を専用の特殊静電ガンで帯電させ、アースさせた金属素材(アルミホイール)に吹き付け、高温で焼くことで樹脂を溶かしてポリエステル製の塗膜を形成するというものです。

 専用機材と技術が必要ではありますが、塗膜も厚くかつ丈夫で防錆効果も高いといわれています」

 ウレタン塗装の場合、摩擦(キズ)や熱に弱い(塗膜が破れ下地が出やすい)傾向があるため、常に回転して稼働しているホイールには不向きともいわれていますが、手軽かつ比較的安価に塗装できるのは大きなメリットでしょう。

 一方、粉体塗装(パウダーコート)は堅牢かつ厚めの塗膜で金属への定着も強く、ホイールなどには最適ですが、できる業者が少ないことと、値段がどうしても高価になってしまうことが悩ましいところ。予算を優先するか、耐久性を優先するかで選び方が変わってきそうです。

「弊社でもできるウレタン塗装の場合は、アルミホイールのガリ傷補修などで同色(アルミ面に近い色)を塗る場合には非常に有効です。ただブラックホイールにしたい場合は、粉体塗装ができるプロに相談したほうが仕上がりは満足できると思います」(整備士 T氏)

 ちなみに、車種やホイールサイズによって変動はあるものの、ウレタン塗装ならホイール1本で1万円から2万円程度の予算で済みますが、粉体塗装(パウダーコート)はアルミホイール表面に塗られたクリアコートを剥離する作業も含めると、ホイール1本でも4万円以上かかるそうです。

 20インチ以上の大径ホイールなどは1本で20万円以上するものもありますが、18インチ程度までなら、すでにブラックに塗られた新品ホイールを購入するという選択肢も出てきます。

「また、ホイールペイントは複雑な形状になるほど難しいといわれています。1ピースならまだしも2ピースや3ピースホイールは手軽にペイントできないので、形状なども考慮してペイントを施すか検討するのがいいでしょう」(整備士 T氏)

※ ※ ※

 ホイールをブラックや別のカラーにペイントするには5万円前後の予算が必要なことを考慮すると、すぐに施工すべきかは判断が難しいところです。しかし愛車がグッと重厚かつスポーティに変化するなら、試してみたいところです。

 ちなみにネットではDIYでスプレー缶などを使ったホイールペイントを解説しているものを散見されますが、あまりお勧めできません。

 たとえうまく塗れたように見えてもスプレー缶の塗装では、あっという間に塗装面に傷がつき、余計にみすぼらしくなってしまいます。やはり技術と設備のあるプロに任せたほうが仕上がりがキレイです。

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2件のコメント

  1. 一本当たりの単価が高すぎ。
    新品買えるわ。
    自分で行うスプレー塗装で充分。
    ハゲたらまたスプレーすりゃいい。

    • 黒ホイールは汚らしく見えるから嫌い。

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