1500万円超の究極「ハチロク」お披露目! フルカスタムの「AE86&GR86」登場! 納得のド迫力カスタムとは
値付けするなら1500万円超? とんでもないチューニングが施されたAE86登場!
もうひとつ、来場者が足を止めてじっくりと眺めていたのが同じクスコブースに展示されていたAE86です。
ぱっと見は非常にクリーンなAE86で、よくある「日本から持ち込んだAE86」かのように見えます。
ですが、なかを覗いてみると、とんでもないチューニングメニューが施されていることがわかりました。
まず、今回出展された個体は通常のAE86ではありません。元々はアメリカ向けの4A-C型エンジン(SOHC8バルブシングルキャブ仕様)を搭載した左ハンドルの個体です。
ボロボロの状態だったのをアメリカで探し出し、レストアのために埼玉県八潮市に本拠地を置くAE86専門店「テックアート」に運び込まれました。
長年アメリカ西海岸特有の強い紫外線にさらされてボロボロになった外装はすべて新品のレストアパーツを用いて修復。
また、単に外装を新品に交換するだけでなく、ボンネットやドア、ルーフパネル、リアゲートなどはインパルス製のドライカーボンのものが使用され、究極の軽量化がおこなわれています。
内装面ではダッシュボードにテックアート製のレザーダッシュパネル、ファブリックやフロアマットはBRIDE製、フロントとリアシートもクスコとBRIDEのコラボモデルが使用されており、運動性能はもちろん、後部座席に乗る人の快適性をも考慮されて作られました。

エンジンは通常のAE86が搭載する4A-Gのヘッドに7A-FEの腰下を組み合わせる定番のチューニングエンジン「7A-G」にすることで、1.6リッターから1.8リッターへと排気量を拡大。
コンロッドやクランク、シャフト、ラジエーター、燃料ポンプなどもテックアートが手掛けるオリジナルパーツを用いています。
また、4連スロットルは電子制御化され、MoTEC M130を使ったECUチューニングと組み合わせることで、ダイレクトなフィーリングと加速を実現したとのことです。
エンジン全体のチューニングはフルチューンとせず、あえて良い程度で抑えることで、ストリート重視の楽しさを実現した内容となっています。
ホイールは15インチのWORK MEISTER CR01が使用されていますが、これはドリフト界のレジェンド土屋圭一氏が個人で所有するAE86と同様となります。
土屋圭一氏はテックアートのAE86が日本で完成し、アメリカに送られる前に実際に袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗し、インプレッションをおこないました。
クスコブースの責任者、クスコUSAディレクターの井上謙司氏は「2台の86を見に多くの来場者がブースに立ち寄ってくれました。
とくに驚かれたのはやはりAE86の方で、仕上がりの美しさとこだわりに注目が集まりました。その後の問い合わせも多くいただいています。」と話しました。
土屋氏が「AE86の新車みたい」と評したことからもわかるように、フルレストアのみならず、カスタムも施した新しい「レストモッド」の形を指し示すものとなっています。
なお、テックアートの鎌田氏に「AE86にもし値段を付けるなら?」と聞いたところ、「1500万円超?」と答えてくれました。
Writer: 自動車ライター加藤博人
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。






























