最新スタッドレスはどう進化? 新ブリザックVRX3の性能をスケートリンクで試してみた
アイス性能が高いと安心感が違う
一方、最新のVRX3は、同じコースで同じ操作をしてもグリップ限界が高く、とても安心感がありました。
確かに30年以上の技術の差を比べても意味がないかもしれませんが、VRX3はグリップ限界が高いだけでなく、限界を超えて滑り出した場合でもスコッとグリップが抜けてしまうことなく、氷をつかまえている感触が伝わってくるので、その凄さがわかります。
たとえばハンドルは小舵角から中舵角、さらに大舵角になっても同じように反応してくれるため、期待どおりのラインを走ることができます。
少しスピードを上げて大舵角にするとグリップ限界を超えて滑り出しますが、それでも一気に滑って真っ直ぐ行ってしまうことなく、グリップがゼロにならずになんとか曲がってくれます。
アクセルオンも同じで、ホイールスピンをしながらも加速力があるので、交差点のミラーバーンでも発進できずもどかしい、という思いをしなくてすみそうです。
もちろんこれらはトラクションコントロールや横滑り防止装置が作動して、助けてくれての話ですが、ブレーキのABSも同様に、制動力の強さをドライバーとして感じることができ安心感がありました。
トレッドパターンの比較試乗もおこないました。
レース用のスリックタイヤのように、まったくトレッドパターンがないスムースタイヤと最新のVRX3の比較です。両方ともVRX3用の発泡ゴムを使っているという条件でした。
スムースタイヤでもVRX3のゴムを履いているので意外と走ることができましたが、ハンドルが効く角度、グリップする角度が狭く、とんがっている性能に感じました。
VRX3はスリップアングルが大きくても小さくても、ちゃんとグリップしてくれるトレッドパターンになっているのだとわかりました。
最新の発泡ゴムを直接体感する試乗も用意されていました。それは足で漕ぐ3輪車です。
3輪とも夏タイヤ用ゴムを装着した3輪車は、人間の力で漕いでもホイールスピンしてしまい、ハンドルを切っても曲がってくれません。ゆっくり走るだけです。それが発泡ゴムだとペダルが重く感じるほどグリップし、自在に走れるのが驚きでした。
アイスバーンでの性能は桁違いに向上しているのがよくわかった試乗会でした。
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最新のスタッドレスタイヤに求められるのは、アイスバーンでの性能が第一ですが、転がり抵抗を小さくして低燃費にしたり、摩耗性能をよくしてライフを長くしたり、静粛性、ドライ路面・ウエット路面での性能も求められています。
次回チャンスがあったら、最新のVRX3のアイスバーン以外の性能についてもレポートしようと思っています。
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