ついに「タイムマシン」完成!? 公道走れる映画仕様の「デロリアン」が色々とスゴイ!
BTTFデロリアンでもっとも苦労したのはどこ?
津和さんはベースとなるデロリアンを手に入れて、最初からタイムマシンを作ろうと思っていたわけではありませんでした。
始まりは、2017年1月に発売されたデアゴスティーニの分冊百科「週刊バックトゥザフューチャー デロリアン」でした。約2年半でデロリアンの1/8模型を完成させるものです。
「プラモデルといっても高額(トータルで23万円以上)なものですから、最初はおとなしくノーマルで作っていました。
でも、あるときにデアゴスティーニデロリアンのコミュニティで楽しそうに改造しているのを見て自分もやってみたいと思うようになりました。
『改造がうまくいかなかったら?』『失敗して壊してしまったら?』などと思いながらも、妻に相談したところ『愛が試されるんじゃない?』といってくれて(笑)、改造を決意。改造をスタートしました。
そのうち、自作でカスタムパーツを作るようになり海外にも多くの仲間ができて『パーツを売って欲しい!』にはじまり、だんだんと『こんなパーツ作れない?』などの問合せも増えてきました。
そのうち私が実車のデロリアンを手に入れたことを仲間に伝えたところ、プラモデルから実車のデロリアンを改造して『BTTFデロリアンを作ろう!』という流れに変わってきました。
2019年2月に実車のデロリアンを手に入れたことを仲間に伝えたところ、『実車を改造してBTTFデロリアンを作ろう!』仲間内で盛り上がってきました。車検の厳しい日本では外装までは絶対に無理だと思ったので、最初は内装だけのつもりだったのですが…。
気づいたら、パーツ探しやパーツ作りに協力してくれる仲間たちに囲まれていました。300のパーツひとつひとつに思い出、思い入れ、仲間たちの存在があります。
なかでもたくさんの相談に乗ってくれて、何回も自宅に通って手伝ってくれたデロリアンオーナーズクラブの副会長である橋本さんにはとくにお世話になりました」(津和さん)
そして約2年間、津和さんは運輸支局に数か月おきに通ってついに車検適合までのすべての作業を終えて2021年8月に構造変更を完了しました。
その際に撮影された写真がSNSに上がることになり、非常に多くの人々が公道を走れるBTTFデロリアンの存在を知ることになったというわけです。
では、保安基準適合のためにもっとも苦労した点はどこだったのでしょうか。
「ボディの周りに這わせるフラックスバンドですね。
これは、苦労したというよりこのバンドを取り付けるためにはボディに穴を開けないとダメなのでまずは『その勇気が出せるのか?』と、そこから悩みました。
ステンレスのボディやもう二度と手に入らない純正フロントバンパーなどに穴を開ける行為はとても緊張しました。穴を開けたらもう戻ってこられませんから(笑)」(津和さん)
※ ※ ※
最後に津和さんにタイムマシンで行ってみたい時代について聞いてみたところ、答えは「30年後」でした。
「30年後、私のデロリアンがまだ走っていて現在小学生の息子に受け継がれているのか見に行きたいです。そしてそのとき、クルマがちゃんと空を飛んでいるか確認しに行きたいです」(津和さん)
30年後、津和さんのデロリアンが空を飛んでいる姿を見てみたいものです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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