クルマの小キズはどう直す? DIYで補修できるのはどんなキズ? 失敗しない方法とは

キズが上手く消えないのはコンパウンドの使い方を間違っていることが原因!?

 現代のクルマは塗装面が非常に薄く、ちょっとした接触でも傷が深くなってしまうほど実は脆いのだそうです。下地まで到達していないキズは、補修剤の定番である「コンパウンド」などを使って補修することになります。

 コンパウンドを使ったことがある人ならお分かりかと思いますが、なかなかキズが消えず、むしろ磨きキズを増やしてしまったという経験がある人もいるでしょう。

 どうも、コンパウンドの使い方や手順を間違えていることが原因のようです。

コンパウンドは使う順番に注意が必要(イメージ)
コンパウンドは使う順番に注意が必要(イメージ)

 カー用品店などで手軽に購入できるコンパウンドですが、なかでも番手(細かさ)の違う3本セットを使う人が多いのではないでしょうか。

 手順としては、まず研磨力の強いコンパウンドでキズ周辺を均一にし、次に中間の細かさでさらにキズ周辺を整え、最後に仕上げ用のコンパウンドで仕上げるというものです。

 しかし、コレがなぜかうまくいかないケースが多いのですが、その理由をT整備士が教えてくれました。

「コンパウンドのなかには使う順番が番号で振られているものもありますが、いきなり粗目のコンパウンドの使用はボディにヤスリを当てているのと一緒で、周辺にキズを追加しているようなものです。それを防ぐ意味でも、まずは1番細かい仕上げ用のコンパウンドから使うのが正解なんです」

 T整備士いわく、まずは1番細かいコンパウンドでキズが消えるか試してみて、消えない場合は2番目の粗さのコンパウンドを使用、それでもダメな場合に1番研磨力の強いコンパウンドでキズ周辺を含めてキズが目立たなくなるまで研磨するといいます。

 その後、また中間のコンパウンドである程度まで滑らかにしてから、仕上げ用で表面を整えるのが正しい手順なのだそうです。

「コンパウンドは研磨剤で、いわば薄く塗装面を削るものですので、できる限り研磨する量を減らしたいです。いきなり粗目のコンパウンドを使うより、まずは仕上げ用のコンパウンドから試してみて、少しずつ粗い粒子のコンパウンドを段階的に使用するのがいいと思います」(整備士 T氏)

 ちなみにT整備士のようなプロは6から7種類もの番手(細かさ)の違うコンパウンドを使い分けているそうです。

「また、コンパウンドを使用した部分は、クリア塗装も影響を受けている状態ですので、作業後は必ずコーティングなどで表面を保護することを忘れないでください」(整備士 T氏)

※ ※ ※

 小キズを修復するグッズとして、クロスでキズの表面をさっと拭くだけという商品も存在します。手軽さが魅力ですが、少し注意が必要だとT整備士はいいます。

「フェルトのような生地に研磨剤やコーティング剤を染み込ませたものですが、キズや汚れの程度によっては目立たなくできる可能性もあります。

 しかし、そもそもどれくらいの番手(細かさ)のコンパウンドなのか、またはどんな種類のコーティング剤が使用されているのかは入念にチェックしておきたいところです。

 ただお手軽なのは間違いないので、まずトライしてみるのもいいかと思います」(整備士 T氏)

 ドアノブ周辺の細かいキズやあくまでワンポイント用としては使えそうですが、大きめのキズなどには使用するのは難しいようです。

 このあたりが自分でできる補修剤のボーダーラインなのかもしれません。

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