なぜスバル新型「アウトバック」は日本導入が遅れた? アメリカと日本の仕様は何が違う?
安全装備は日本仕様のほうが進んでいる
安全面においては、「新世代アイサイト」のみならず、日本仕様では3D高精度地図データを採用した高度運転支援システム「アイサイトX」が全車標準装備されます(アメリカ仕様は非搭載)。
なかでもアイサイトXは、一定の条件を満たした自動車専用道路において、安心で快適な運転を支援する仕組みです。
「渋滞時ハンズオフアシスト」や「渋滞時発進アシスト」「カーブ前速度制御」「料金所前速度制御」「アクティブレーンチェンジアシスト」「ドライバー異常時対応システム」などを備えるなど、最高峰の安全性を実現しているといえます。
さらに、アメリカと日本のアウトバックは、ターゲットとなるユーザー層も異なるようです。
アメリカでは、歴代アウトバックを乗り継いでいる人が多く、子育てが終わったシニア層(60代から70代)を中心に支持されているといいます。
一方日本ではもう少し若い40代から50代をターゲットとし、高機能なアウトドアツールと上質なくつろぎ空間を融合した唯一無二のクロスオーバーSUVという位置づけとなります。
また、アメリカをはじめ、海外ではアウトバックという車名となっていますが、日本では「レガシィ アウトバック」と「レガシィ」の冠を残しています。
これについて村田氏は、「国内ではレガシィの認知度が高く、さらにスバルのなかでもレガシィはレジェンド的な存在。その点を大切にしており、新型アウトバックでもレガシィを残していきたかった」と説明します。
1989年に登場した初代レガシィは、セダンとツーリングワゴンをラインナップ。前述のように、2代目からはクロスオーバーモデルのアウトバックも追加され、スバルの中心車種として世代を重ねてきました。
その一方、ツーリングワゴンは5代目をもって終了して2014年にレヴォーグへ引き継がれ、セダンの「B4」は2020年6月に日本での販売を終了。
アメリカでは、2019年にフルモデルチェンジしたアウトバックとともにセダンの新型モデルも登場していますが、セダン需要の低迷から日本導入は見送られています。
レガシィの名を冠するモデルはアウトバックのみとなりましたが、スバルが大事に育ててきたそのDNAはしっかりと継承されているようです。
なお、レガシィは北米のニーズによりボディが大型化したことから、日本の道路事情にマッチしたレヴォーグが誕生することになったわけですが、新型アウトバックは従来モデルからボディサイズが大きくなっています。
新型は全長4870mm×全幅1875mm×全高1670mmと、従来モデルから全長は50mm、全幅は25mm、全高は10mmそれぞれ拡大。
室内の前後長も伸ばし、より快適な室内とより広い後席の前のスペースを実現するとともに、荷室も奥行きと幅を広げてスバル最大級の広さを確保してゆとりある空間としました。
一方、最小回転半径(5.5m)やミラーtoミラーの寸法は従来モデルから変えず、取り回しの良さはキープするなど、日本市場に対して配慮がなされています。
スバルの「0次安全」という面においても見切りの良さにも新型アウトバックはこだわっており、従来モデルのユーザーに加え、新たに乗る人にも運転しやすいクルマに仕上がっているようです。
そのまま廃止か名前を単なる「アウトバック」のみに改名して日本市場では
新型レヴォーグに新型WRXみたいな無塗装バンパー付けて車高上げた車を
継承車「レヴィーグアウトバック」として売り出すか
「新型アウトバック(日本仕様)」として出すためだと思った