MT車が若者から熱い支持!? EVシフトで消滅寸前! いまあえて自動車メーカーがMT車を設定する理由とは

若者の購入比率が高いホンダ新型「シビック」では3割以上がMTを選択するなど、AT全盛の現代において支持を受けているといいます。EV化が進むなかで消滅する運命のMT車をラインナップし続けるのはなぜなのでしょうか。

ホンダ新型「シビック」は35%の購入者がMT車を選択

 ホンダ新型「シビック」の初期受注において、6速MTの比率が高いことが話題となっています。

 ホンダによると、2021年9月3日発売の約1か月後となる10月7日時点で、新型シビックの受注台数は月販計画台数の3倍相当の3000台以上を達成。そのうち、35.1%が6速MTだということです。

先代に続き新型「シビック」も6速MT搭載
先代に続き新型「シビック」も6速MT搭載

 しかも、購入層でもっとも多い年代が20代(23.9%)という数字も、300万円台のミドルカーとしては珍しい結果に感じます。

 そもそも、なぜホンダは新型シビックの日本仕様に、現在のホンダの国内普通車として唯一となるMT車を設定したのでしょうか。

 筆者(桃田健史)は2021年9月に新型シビック試乗会に参加した際のホンダ関係者と意見交換のなかで、「先代モデル(10世代)ではタイプRを除いて6速MT比率が3割だったことが最大の要因」という見解を聞いています。

 また、先代モデルでもハッチバックに対する20代ユーザー比率が高く、モデルライフの途中でセダン販売を中断し、ハッチバック1本でユーザーの若返りを狙う戦略に出ました。

 こうした流れが、新型でもしっかり継承されたといえます。

 そのほか、普通車でMT設定が多いメーカーといえば、マツダがあります。

「ロードスター」のMT比率が高いことは当然だと思いますが、コンパクトカーの「マツダ2」からSUVの「CX-5」まで、モデルの商品性に合わせてガソリン車「SKYACTIV-G」やディーゼル車「SKYACTIV-D」において6速MTをラインナップしています。

 その理由は、マツダが提唱する「Be a driver」という「走る楽しさ」の追求です。

 時計の針を少し戻すと、2010年にSKYACTIV量産を受けて、マツダの三次自動車試験場(広島県)で開催されたプロトタイプ試乗会で、SKYACTIV-GとSKYACTIV-Dの特徴的な走り味を6速MTで初体験しました。

 当時のマツダ幹部が、「MTでないと感じ取れない、走りの楽しさをわかってほしい」とコメントしたことをよく覚えています。

 そうしたマツダの志は2017年にドイツのアウトバーンで初試乗した「SKYACTI-Xプロトタイプ」でも、また2020年の美祢自動車試験場で乗ったe-SKYACTIV G搭載の「マツダ3」でもしっかり継承されており、MT車の走りを素直に楽しむことができました。

 こうした、「Fun to Drive」というクルマ本来の在り方が、ホンダ新型シビックで見られるような若い世代での6速MT志向として、改めて浮き彫りになったといえるでしょう。

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  1. 普通自動車免許代返せ

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