2022年以降のホンダF1活動どうなる? 日本人選手の登場は今後も期待できるのか
2021年日本GPではRA272のカラーをイメージしたマシンが走る予定だった
その角田選手もシーズン前から参加を楽しみにしていた、「2021 FIA F1世界選手権シリーズ Honda 日本グランプリレース(2021年10月8日~10日)」が、新型コロナウイルス感染症の影響で中止が決定しました。
鈴鹿サーキットを運営するホンダ傘下の株式会社モビリティランドは、関係省庁、三重県、鈴鹿市、日本自動車連盟、近隣の病院施設やホテルなどからの協力を受け、海外関係者の入国受入れに伴う、防疫対策、輸送計画、査証申請などの準備をしてきましたが、最終的に大会開催に結びつくことができませんでした。
F1日本グランプリレース中止について、日本自動車工業会の豊田章男会長は2021年9月18日に鈴鹿サーキットで開催されたスーパー耐久シリーズ第五戦に自らドライバーとして参加した際に記者会見し、「五輪が許されても、二輪(MOTO GP)や四輪(F1)が許されないことに不公平を感じる」と、日本におけるモータースポーツの現状について厳しい意見を述べています。
今回の会見で、筆者からホンダ側に、改めてF1日本グランプリ中止に対する受け止めを聞きました。
これに対して、本田技研工業の執行役、ブランド・コミュニケーション本部の渡辺康治本部長は「ホンダとしてF1参戦最終年だったことで、とても悔しい。(ホンダF1としての)最後の姿を日本のファンにお見せしたかった。(開催はかなわないが)ファンの皆さんに少しでも日本ブランプリ(の雰囲気)を体験して頂けるよう、バーチャル開催企画を用意した。
また、レッドブル側と協議し(本来は鈴鹿でお披露目するはずだった60年代にホンダF1初優勝した) RA272をイメージした白と赤のカラーリングマシンが(当初の日本グランプリ開催日であるトルコグランプリ)で走る。(開催できなくて)本当に残念だ」と心の内を表現しました。
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ホンダは「2040年のグローバルで新車100%EVまたはFCV(燃料電池車)」を含めた2050年カーボンニュートラル実現に向けて、F1撤退などにより技術と人材のリソースの再配分をおこなっています。
ホンダにとって、F1ワークス活動ラストイヤーとなる今シーズン、ドライバーとコンストラクターでチャンピオンに輝くことが、次世代ホンダに向けた大きなエネルギーになることは間違いありません。
F1終盤戦での、角田選手を含めたホンダF1のさらなる活躍を期待したいです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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