スタッドレスタイヤの購入や交換はいつが良い? 長持ちさせる秘訣はある?
冬用タイヤとして認知されているスタッドレスタイヤ。交換タイミングや、何シーズンくらい使えるのか、長持ちさせる秘訣など、タイヤ専門店のスタッフに聞いてみました。
年々性能が進化するスタッドレスタイヤ
冬用タイヤとして定番の「スタッドレスタイヤ」ですが、例年7月ごろに新製品が発表され9月あたりから販売が始まるなど、雪が降る前から動き出している商品です。
通常のサイクルであれば、秋も深まり冬が近づいたタイミングでスタッドレスタイヤの購入や履き替えをされる人が多いでしょう。
スタッドレスタイヤと夏用タイヤの違いは、使用されるゴム素材です。スタッドレスタイヤは、夏用タイヤより低温で硬くなりにくいように配合された素材が使用されています。
またタイヤのトレッドに刻まれたブロックには細かな「サイプ」と呼ばれる溝があり、雪上では雪を踏み固めながら抵抗を増やしつつ、ブロックの角(エッジ)で雪を引っ掻くことで推進力を路面に伝えています。
氷上では、ゴム素材が低温下でも生み出す摩擦力とサイプによる排水性、ブロック自体の引っ掻き性能などが合わさって安定した走行を可能にしています。
その反面、特殊なブロックパターンのためロードノイズが若干大きめに発生したり、乗り心地が低下することもあるといわれています。さらに柔らかい素材のために、舗装路では夏タイヤより消耗しやすいとされています。
スタッドレスタイヤの装着状況について、NEXCO東日本が2020年に調査した「冬用タイヤ装着状況調査」によると、冬用タイヤの装着率は全車種平均(小型車と大型車の合算)で53.6%でしたが、実際は首都圏での小型車(一般車両)の装着率はわずか23.8%。降雪地域での小型車装着率は66.3%とは大きな差があることがわかりました。
これは首都圏での降雪量が極端に少ないことや、スタッドレスタイヤに履き替えるためのコストや時間などを考慮した結果なのかもしれませんが、それでも4台中3台は冬にスタッドレスタイヤに履き替えないというのは、都市部では想像以上に少ないといえます。
もっとも、実際に首都圏で雪が降った場合はタイヤチェーンなどで対応可能ですし、年間に数日降るか分からない雪のために用意できないのも理解はできます。
ただ最近の異常気象を考えると、都市部で突然の大雪に見舞われる可能性も否定できず、雪でも安全に走行できるスタッドレスタイヤの装着を検討してもいいのではないかと思われます。
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スタッドレスタイヤは毎年進化しており、現在では雪上での走行性能はもちろん、雪の少ない地域でも発生しやすいアイスバーン(氷上)性能などを考慮した作りになっています。
さらに耐摩耗性や静粛性などもかなり改善され、現在では夏用タイヤに近いフィーリングのオンロード性能のスタッドレスタイヤも登場しつつあります。
なお、夏用タイヤの性能に加え、雪上も走行できる「オールシーズンタイヤ」もありますが、オンロードでのグリップは夏用タイヤに及ばず、雪上でのコントロール性能や大切な制動距離(ブレーキをかけて止まる距離)はスタッドレスタイヤに及びません。
飛び抜けた性能がない代わりに、どんな気象条件にも対応するオールマイティさを併せ持っているため、多少の雪や悪路などでも履き替える必要がなく走行できるのがメリットとなっています。
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