スタッドレスタイヤの購入や交換はいつが良い? 長持ちさせる秘訣はある?
購入・交換の時期など、気になる点をタイヤのプロに聞いてみた
本格的な冬が到来する前に準備しておきたいスタッドレスタイヤですが、いつ頃交換するのがよいのでしょうか。交換のタイミングや何シーズンくらい使えるのか、長持ちさせる保管方法などについて、タイヤ専門店のスタッフに聞いてみました。
まずは購入のタイミングですが、装着の直前に購入するのがいいのでしょうか。
「スタッドレスタイヤを購入するタイミングはできるだけ早いほうがいいと思います。乗用車のタイヤサイズの場合は生産数も多いのでそれほど心配ありませんが、トラック用や扁平率がレアなタイヤサイズの場合は、10月には売り切れてしまうこともあります。
装着する時期は地域によって差はありますが、路面が凍結しそうなほど冷え込みが厳しくなってからでも間に合います。購入はお早めにといったところでしょうか」
ここで注意したいのは、タイヤの製造年です。とくに柔軟性が求められるスタッドレスタイヤの場合、経年劣化により硬化するのも夏タイヤより早いといわれています。
「スタッドレスタイヤのコンパウンドは特殊なので、本体に刻印された製造年を確認してください。新品未使用だったとしても古いタイヤを購入してしまうと、十分な性能を発揮できない可能性があります。
またスタッドレスタイヤは、夏用タイヤに履き替えてあとは長期保管されるケースが多いですが、使用期限は走行距離にもよりますが3シーズン程度といったところでしょう。
走行距離が短くて溝やブロックが残っていたとしても、タイヤが硬化しグリップ力を確保する路面摩擦力が低下してしまっては、乗り心地も燃費も悪化してしまいます」(タイヤ専門店のスタッフ)
こういった事態を避ける方法としては、できるだけ新製品の銘柄を選ぶのが良さそうです。新商品であれば当然ながら新たに製造されており、経年劣化によるタイヤの硬化という問題を気にしなくて済みます。
「製造年はタイヤウォール(タイヤの側面)に刻まれた4桁の数字で確認できます。たとえば〇〇□□だった場合、20□□年の〇〇週に製造されたタイヤという意味です。この下2桁が現在より3年以上前のものは、かなり古いタイヤということになります」(タイヤ専門店のスタッフ)
シーズン中に仕様したスタッドレスタイヤは春先になると夏タイヤに履き替え、冬になるまで長期保管するケースが一般的となっています。
この保管に関して少しでもいい状態を保ち、長持ちさせる秘訣などはあるのでしょうか。
「長期保管で一番の大敵が直射日光です。紫外線や熱がゴムの劣化や硬化を促進させるので、日光を避けた高温にならないような場所に保管するのがいいと思います」(タイヤ専門店のスタッフ)
またタイヤワックスを塗布してビニール袋に入れて密閉保管するのは、タイヤにとってNG行為だといいます。
「じつは、タイヤワックスの油分と紫外線が一緒になることで、タイヤのヒビ割れが進行してしまうんです。
水洗いなどで汚れを落とすのはいいのですが、スタッドレスタイヤにはタイヤワックスは使用しないほうがいいです。
またゴム製品は呼吸しているともいわれているので、密閉での保管もあまりお勧めできません。それなら暗所でそのまま積み上げているほうが状態は保てると思います」(タイヤ専門店のスタッフ)
もうひとつ気になる点は、スタッドレスタイヤを購入するとき、併せてホイールも購入する人が多いと思いますが、純正ホイールでタイヤを履き替えるのではだめなのでしょうか。
「ホイールにタイヤを組み込む作業や外す作業は、タイヤの縁を強引に入れ込んだり、バールなどの工具で引っ剥がす力技な部分が多いです。
タイヤを痛めながらの作業な部分もありますので、できればホイールとタイヤは1度組み上げたら頻繁に取り外ししないほうがいいでしょう。タイヤとホイールをセットで購入し、夏と冬で交換するのが一番いいですね」(タイヤ専門店のスタッフ)
※ ※ ※
スタッドレスタイヤは雪上や氷上でのグリップ力を確保するため、かなり柔らかい素材が練り込まれたゴムでできており、扱いはできるだけ丁寧なのが良さそうです。
実際、タイヤメーカーは3年程度での交換を推奨しており、溝の残りが50%になるとプラットフォームと呼ばれる突起が出てきます。できればその前に交換するのが安心のようです。
ちなみに、スタッドレスタイヤは方向性の決まったパターンを採用しているケースが多いので、タイヤローテーションはクロスではなく、前後でおこなうことも覚えておきましょう。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。