バブル崩壊後は“遊べるワゴン”がモテた! 1990年代に活躍したナンパカー事情に迫る
カスタムベースとしても人気を博したワゴン車とは?
●ホンダ「アコードワゴン」
ホンダ「アコードワゴン」は1991年に米国から日本に逆輸入され、CMでは「USアコードワゴン」を強調していました。
140馬力の2.2リッターSOHCエンジン「F22A」が搭載され、帰国子女的で上品な育ちの良い雰囲気により、新車当時は都会的なデートカーとして活躍しました。
ナンパカーとして活躍したのは、この1991年のモデルとフルモデルチェンジ後の1994年に登場したモデルです。
ユーザーの志向により「ローダウン」や「エアロパーツの装着」など、上品とは正反対の雰囲気にカスタムされることも多く、とくにサーファーなどに愛用され、ドライバーのファッションのひとつとして活用されました。
アコードワゴンは、夏の夜の海沿いの道路でも活躍します。
女性たちは歩道に間を空けて立っており、男性はクルマに乗って車道に列をなし、男女が話をしてOKだったらデート成立、不成立なら1台分先に進んで別の女性と話す、などのスタイルでナンパがおこなわれたようです。
●日産「アベニール」
日産「アベニール」は1990年に登場。当時人気だった「プリメーラ」に似たフロントマスクと、ワゴンとしては強力な140馬力のエンジン(SR20DE)を搭載し、比較的安価でよく走るワゴンとしてスマッシュヒットしました。
1994年にはビッグマイナーチェンジにより「アベニール サリュー」を名乗り、「SR20DETエンジン」も搭載。松嶋菜々子さんの「お・ま・た」のCMとともに話題になりました。
しかし、アベニールの中古車動向は大きく異なり、1990年代後半、アメリカ車のワゴンのプレスラインなどを埋めて、つるんとした外観にする「スムージング」というカスタマイズ手法が現れました。
当時、安価に出回っていた中古車のアベニールは、スムージングのベース車として好んで用いられたのです。
さらにラジエーターグリルを「アメリカンビレットグリル」に変えると、よりアメリカンな雰囲気が出たのもアベニールならではの特徴でした。
もちろん車高は極端に下げ、荷室には大容量オーディオを搭載し、大音量の音楽で周囲にアピールするのがアベニール流。
これらのボディスタイルやオーディオによるカスタマイズをおこなっていた若者は、駐車場や駅のロータリーなどに集まり、その場に来た女性と会話をしながらナンパをしていたようです。
※ ※ ※
ナンパカーが存在した1990年代後半は、規制緩和でさまざまなカスタムスタイルが登場。
合わせてファッションも、当時なりのカジュアルファッションが確立されたものですが、それらも2000年代半ばまでにはナンパカーとともに姿を消してしまいました。
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