通ったら違反? 道路の「ゼブラゾーン」の疑問! 類似表示との違いとは
街中で、白線で描かれた縞模様の線を見かけることがあります。一般的に「ゼブラゾーン」といわれる道路標示ですがどういった意味合いがあるのでしょうか。また通過しても問題ないのでしょうか。
ゼブラゾーンの通過、問題ない?
クルマで道路を走行している際、縞模様の白線が引かれている場所を見かけることがあります。
これは、どのような意味を表すものなのでしょうか。
この縞模様は「導流帯」いわれ、通称「ゼブラゾーン」とも呼ばれています。
ゼブラゾーンは、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」において定められており、車両の安全かつ円滑な走行を誘導するために設けられた場所に設置されています。
ゼブラゾーンが設置されている箇所に関して、警察庁が発表している「交通規制基準」では、対象道路について、以下の3項目が挙げられています。
1.交差点を通行する車両の走行位置が不安定で交差点の処理能力が低下し、又はこれに起因する交通渋滞若しくは交通事故が発生するおそれのある道路
2.交差点が変形又は複雑であるため、車両の交錯が多く、これに起因する交通渋滞又は交通事故が発生するおそれがある道路
3.車線数が減少する場所その他道路の形状及び交通の状況からみて安全かつ円滑な走行を誘導する必要があると認められる道路
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過去の事例では、2004年7月に福島県いわき市で交通事故が多発していた一般国道6号いわき市平市街地に中央ゼブラゾーンの設置、右折レーンの設置をおこなったことで、交通事故の減少に繋がったケースもありました。
このゼブラゾーンの設置後の利用者のアンケート調査(855人が回答)では、全体的に走りやすくなったと感じた人は58%、部分的に走りやすくなったと感じた人は36%という結果となっています。
このように、ゼブラゾーンは交通事故防止や、円滑な路面での走行をおこなうために必要な道路標示ということが分かります。
そんなゼブラゾーンは、クルマで縞模様の線の上を通過しても問題がないのでしょうか。
都内警察署の交通課担当者は以下のように話します。
「ゼブラゾーンは右左折を分かりやすくしたり、クルマが安全に走行できるように車間をあけたりするために設置されています。
ゼブラゾーンを通過することに関して、特別に取り締まりはおこなっていませんが、基本的に避けて通ることを指導しています」
また、SNSでは「右折する時に見かけるゼブラゾーンって避けないとダメなの?」「混んでる時もゼブラゾーン避けて右折する車線に移動する必要あるのかな?」など、右折する際に見かけるゼブラゾーンでのクルマでの走行についての声が特に多く見られています。
これについて、前出の担当者は以下のように話します。
「急な右折をすることで事故が起こりやすい事例があるため、ゼブラゾーンが設けられている部分が多くなっています。
なので、極力膨らみに合わせて走行してもらうようお願いします」
道路交通法などでは、ゼブラゾーンの通過についての違反は設けられていないため、担当者が話すように違反や取り締まりになるということはありません。
このため、道路状況によって渋滞しているなどやむを得ない状況の場合は、ゼブラゾーンを通行を行っても問題ないようです。
ただし、右折をおこなう際の車線変更などではゼブラゾーンを守ったほうが、事故などの可能性も低くなります。
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ゼブラゾーンを通過することで取り締まりはないということでしたが、駐車するのは問題ないのでしょうか。
これについて、前出の担当者は、「車両の駐車が想定された場所ではないので、基本的に駐車はおこわないでください」と話しています。
過去にはゼブラゾーンに車両を停止させていたことで、バイクが追突し女性が死亡するという事故が発生した例もあります。
わが町の片側一車線の道路で、右折予定の対向車がゼブラゾーンを走ってくるのは許せるが、ゼブラゾーンが先にあることを前提に、ゼブラゾーンのかなり手前から黄色実線のセンターラインをはみ出して走ってくるものが結構いる。
おいおい、それはゼブラゾーン走行ではなく、「逆走」だぞ。