雪も走れる夏タイヤが激進化! ミシュランの新オールシーズンタイヤの実力とは
ドライ・ウエット路は夏タイヤと同じ感覚なのにスノー路面ではしっかりとグリップ
最初におこなったのはスノー路面でのスラローム走行。205/55R16サイズのVW「ゴルフ7」で走ります。
まずは発進ですが、グッグッと路面を掴み、何事もなかったように加速していきます。パイロンスラロームに入ってもグリップが高く、安定した姿勢でクルマをコントロールできました。今回は同じコースで、冬の性能に定評のある他社製オールシーズンタイヤと比較しましたが、それと比べても遜色ないどころか、雪上での発進加速もブレーキングも上をいっていました。
4WDのトヨタ「カローラスポーツ」でおこなったスノー路面での定常円旋回では、従来のクロスクライメート+よりも高い速度まで滑り出さずに粘ります。最終的には外へ外へと膨らんでいきますが、横グリップがかなり向上したことを実感しました。
一般道試乗もおこないましたが、場所によって圧雪路からウエット、シャーベット、ドライ路と目まぐるしく変わる路面でも、不安になることなく走行できました。
その後、6月に栃木県にあるGKNプルービンググラウンドでドライ・ウエット路面での試走会が開催されました。
まずはコーナーの続くワインディング路。ふつうに走り曲がり止まります。スポーツタイヤのようなガツンとしたグリップは感じないものの、クセのない感覚でタイヤを意識することなく走ることができます。
高速周回路ではレーンチェンジなどもおこないましたが、こちらも素直な感覚。トレッドパターンがV型なので音に関しては不利ではないかと思っていましたが、実際に試走してみると速度を上げていっても車内に不快なノイズは響いてきません。
ウエット比較では、何度試しても従来のクロスクライメート+より新クロスクライメート2のほうが手前で止まりました。ブレーキペダルから伝わる制動の手応えもあり、ウエットブレーキング6%向上という実力を体感しました。
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正直オールシーズンタイヤのクロスクライメート2は、ドライ・ウエット路を走行する限り、夏タイヤであるふつうのエコタイヤとの違いはわかりません。にもかかわらず、冬のスノー路面でもきちんとグリップし、安心してドライブができました。
クロスクライメートシリーズは「雪も走れる夏タイヤ」というキャッチコピーで登場しました。従来品はそのとおり、夏タイヤ寄りのオールシーズンタイヤという印象が強かったのですが、新クロスクライメート2は夏タイヤの性能も向上させつつ、スノー路面でのグリップも相当上げてきた印象です。
年間でほとんどを占めるドライ・ウエット路は夏タイヤと変わらず、数日ある突然のスノー路では安心して走行できる…正常進化したクロスクライメート2は、とくに都会に住むドライバーのニーズを汲んでいます。
クロスクライメート2には「A-b」「AA-c」などのタイヤ・ラベリングがないので、燃費やウエットグリップが不安と思う人もいるかもしれませんが、そもそもラベリング制度とはリプレイス(交換用)の乗用車用夏タイヤを対象としているので、このオールシーズンタイヤには適用されません。つまりタイヤ・ラベリングがなくても、ウエットグリップも転がり抵抗もきちんと考えられています。
タイヤというのはバランスの商品ですが、クロスクライメート2はどこかの性能を落としてどこかを上げるというアプローチではなく、従来品と比べて性能チャートの面積を全体的に大きくしたような正当進化を遂げているのが、冬と夏の試走会でわかりました。
バック時はスノー性能が弱いというのは改善されたのかな?駐車場等でバックする時にタイヤが空転してしまうが、前進は問題なく出来るみたいなのがあると聞きました。
ダメもとで凍結路面のテストもして欲しかった