【厳選】コロナ禍で注目集まるボート業界 ブガッティやレクサスが手掛けたラグジュアリー・クルーザーとは
陸の王者たる「ブガッティ」は、海でも王者になりうるのか?
高級ボート市場への参入を果たした高級車ブランドといえば、日本のレクサスも忘れてはなるまい。
まずは2017年、マイアミで開催されたブランドイベントにて「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」と名づけた、オープンクルーザー型のコンセプトスタディが発表された。
これはトヨタのマリン事業参入20周年を記念したものとのことで、レクサスのデザインフィロソフィにしたがって設計された全長12.7mの船体に、現在ではレクサス「LC500」や「IS500F」に搭載されている5リッターV型8気筒ガソリンエンジンを2基掛けすると謳われていた。
さらに2019年になると、20m級/乗員14名というミドルクラスの本格派モーターヨット「レクサスLY650」を正式にリリースした。
LY650のインテリアは、日本の「おもてなし」思想を体現したもの。イタリアのヨットデザイン会社「ヌヴォラーリ・レオナルド(Nuvolari Lenard)」とのコラボにより、先進的なデザインに加えて細部まで入念に仕立てた快適な居住空間を実現したという。
●ブガッティの世界観で生まれた超豪華ヨット
しかし、これら自動車ブランド主導によるボート&ヨットのなかでも圧巻というべきは、2017年春にブガッティから発表された「ニネット66(Niniette 66)」であろう。
いわゆる「メガヨット」の分野でその名を知られる「パーマージョンソン(Palmer Johnson)」社のコラボレーションによって生まれたモーターヨットで、ニネットの名はブガッティの開祖エットレの末娘、リディアのニックネームから採られたという。
そんな可愛らしいネーミングにもかかわらず、船体の全長は66フィート。つまり約20メートルという堂々たるサイズながら、乗船定員は操船クルーが1名にゲストが2名。つまり、わずか3名でこの巨大なヨットを独占する贅沢なつくりとなっている。
エンジンは、ブガッティと同じくVWグループに属するドイツの船舶・大型商用車用エンジンメーカー「MAN」社製の16.2リッターV型8気筒ディーゼル。最高速度44ノット(約81km/h)の1000ps版と、最高速度48ノット(約89km/h)の1200ps版から選択可能とされる。
そのスタイリングは、時を同じくしてデビューしたブガッティのハイパーカー「シロン」と共通のイメージ。インテリアもシロンをはじめとする現代ブガッティのイメージで設えられ、シロンの購入者のみにオーダーする権利を授与するシステムであった。
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ここで紹介したボート&ヨットたちは、いずれも内燃機関を搭載するものだったが、自動車の電動化が進む現代にあって、今後SDGsを尊重するエコロジーオリエンテッドな自動車メーカーからは、電動の補助モーターを搭載するセーリングヨットなども誕生してくるかもしれない。
今後もスーパーカー/プレミアムカー・メーカーが生み出すであろうボートやヨットには、要注目なのである。
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