【生産開始】約1億円でアウディ「スポーツ・クワトロ」をEVで蘇らせるメーカーとは?

1980年代の名車をリバイバルする潮流が生まれていますが、ドイツ・エレゲンドはアウディ「スポーツ・クワトロ」に現代的解釈を加えてBEVでリリースします。

アウディ「スポーツ・クワトロ」が現代に蘇る!?

 シャープなラインで構成された一台のプロトタイプ。このプロトタイプにドイツ政府からの型式認証が与えられたことで、その開発はこれから最終段階を迎え、ついに生産が始まる。

 誰の目にもかつてのアウディ「スポーツ・クワトロ」の現代的解釈に映るこのモデルを開発しているのは、ドイツのELEGEND(エレゲンド)社で、車名は「EL1」だ。

アウディ「スポーツ・クワトロ」を想像させる3つのクーリングベントを備えたボンネットの造形
アウディ「スポーツ・クワトロ」を想像させる3つのクーリングベントを備えたボンネットの造形

 前後の特徴的なオーバーフェンダー、そしてCピラーまわりや3つのクーリングベントを備えたボンネットの造形。それらはあくまでもスポーツ・クワトロからインスピレーションを得たものだが、このモデルは単なるレトロフィットではない。その中身にはエレゲンドによる最新の技術が実に多く詰め込まれている。

 EL1の基本構造体は、Roding Automobile社と共同で開発されたカーボンモノコックだ。それは軽量化と高剛性を両立させるために、現代のスーパーカーやハイパーカーでは必要不可欠なアーキテクチャーである。

 エレゲンドの説明によると、とくにEL1の場合には4つのエレクトリック・モーターを持つBEVとして開発されている。そのため、90kWhの容量を持つリチウムイオン・バッテリーの搭載位置の関係からもカーボンモノコックを使用することは、EL1をピュアなドライビングマシンとするために必要不可欠なことであったようだ。

 ちなみにバッテリーはキャビン後方とセンタートンネル内に整然と配置されており、重量配分には大きな影響は及ぼさない。また発表された車重は1680kgと、こちらも魅力的な数字だ。

 各輪に搭載されるモーターは、フロント150kW、リア225kWと強力なもので、システム全体の最高出力は600kW(約816ps)に抑えられている。

 それでも100km/h加速は2.8秒、200km/h加速は8.5秒だ。最高速は電子制御リミッターによって、安全のため300km/hに抑えられている。

●限定30台、およそ1億円のBEV

 EL1は、2022年から30台の限定車として生産される計画で、その価格は税抜で89万ユーロ(邦貨換算約1億1500万円)と発表されている。

 EVスポーツとしての性能はもちろんのこと、ABS、ESP、トラクション・コントロール等々が備えられ、またインテリアに目を移せばマルチメディア機能を持つ最新世代のインフォテインメントシステムやナビゲーション、Bluetoothインターフェイスなど、さまざまな装備が確認できるだけに、このプライスは現代の最先端をいくBEVスポーツとしては、十分な説得力があるものといえるのではないだろうか。

* * *

 エレゲンドでは、すでにこのEL1に続く、同コンセプトのモデルの開発、そして生産計画が進行中だ。自動車の世界が内燃機関からBEVへと移りつつあるなかで、いわゆる新興勢力が続々と誕生する現在、多くのメーカーやエンジェル(投資家)は、ニューモデルの誕生を虎視眈々と狙っている。それは我々にとっても、実に面白い時代が訪れたといえるのではないだろうか。

【画像】30台限定の現代版「スポーツ・クワトロ」は1億円オーバー(13枚)

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1件のコメント

  1. コレジャナイ感が半端ない。

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