ついにスバル新型「WRX」が世界初公開! 特別に仕立てられたWRX3選

日本時間の2021年9月10日、スバルは新型「WRX」の北米仕様を世界初公開しました。ハイパフォーマンスセダンであるWRXが、すべてを一新して登場。そこで、これまでに登場した特別なWRXを振り返り、3車種ピックアップして紹介します。

新型WRX誕生記念! 特別に仕立てられたWRXを振り返る

 スバルは日本時間の2021年9月10日夜、ハイパフォーマンスセダン新型「WRX」の米国仕様を世界初公開しました。2代目となるWRXは先代からコンセプトを継承しながらも、よりアグレッシブなデザインとなり、走る愉しさを最大限に高めたといいます。

ついにアメリカで公開された新型「WRX」の北米仕様
ついにアメリカで公開された新型「WRX」の北米仕様

 今回発表されたのは前述のとおり米国仕様で、スバルグローバルプラットフォーム×フルインナーフレーム構造のボディへと一新。

 パワーユニットは2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンで、最高出力(開発目標値)は271hpを発揮。トランスミッションは6速MTまたは新開発のCVT「スバル・パフォーマンス・トランスミッション」が組み合わされ、駆動方式はAWDですが、MT車がビスカスLSD付きセンターデファレンシャル方式、CVT車が不等&可変トルク配分電子制御AWDの「VTD-AWD」を採用。

 ボディサイズ(インチから換算)は全長約4668mm×全幅1826mm×全高1468mmと、先代からひとまわり大きくなっています。

 また、SUVテイストも感じさせるような、前後フェンダーアーチや前後バンパー、サイドスカートにブラックの樹脂パーツを採用し、外観のアクセントになっているのと同時に力強さを表現。

 新型WRXは2022年にアメリカで販売される予定で、日本仕様については今のところアナウンスされていません。

 このWRXといえば、初代においてこれまで数多くの魅力的な特別仕様車やコンプリートカーが登場しました。そこで、特別なWRXを振り返り、3車種ピックアップして紹介します。

●WRX S4 tS

シャシの素性の良さを高めるチューニングをメインとした「WRX S4 tS」

 初代WRXでは、6速MTモデルの「WRX STI」と、CVT(スポーツリニアトロニック)の「WRX S4」がラインナップされていましたが、このWRX S4をベースにSTI(スバルテクニカインターナショナル)の手によって仕立てられたのが、2016年に登場した「WRX S4 tS」です。

 WRX S4 tSはやみくもにパワーを追い求めるのではなく、WRX S4の走りのポテンシャルを全方位的に高める方向性です。

 そのため2リッターターボエンジンの最高出力は300馬力のまま、吸気系のモディファイによりレスポンスを高めています。

 外装はスタンダード仕様では前後のアンダースポイラーやサイドスカートなどを装着。比較的おとなしい印象ですが、もう1台「NBRチャレンジパッケージ」が設定され、こちらは大型のリアウイングが取り付けられ、戦闘的です。

 内装ではSTI製レカロシートやSTIロゴ入りルミネセントメーターをはじめ、専用装備を随所に採用し、スポーティな室内空間を演出。

 ほかにも足まわりでは、STI製BBS19インチ鍛造アルミホイール、ビルシュタイン製可変減衰力ダンパー、フロントブレーキにブレンボ製4ピストンキャリパーなどが奢られ、操縦性の向上が図られています。

 なお、WRX S4 tSは、約半年間の期間限定で販売されました。

スバル・WRX S4 の中古車をさがす

●WRX STI EJ20ファイナルエディション

名機「EJ20型」エンジンのフィナーレを飾った限定車の「WRX STI EJ20ファイナルエディション」

 スバルは1989年に誕生した初代「レガシィ」から続く高性能エンジン「EJ20型」を、2019年度で生産終了すると発表。そこでWRX STIの最後の限定車「WRX STI EJ20ファイナルエディション」を、2019年10月に555台限定で発売しました。

 WRX STIとEJ20型エンジンの集大成となったWRX STI EJ20ファイナルエディションは、「WRX STI タイプS」をベースに、エンジンの回転系パーツであるピストン、コンロッド、クランクシャフトなどの重量公差・回転バランス公差を最小限に抑えた「バランスドエンジン」を搭載。

 また、EJ20型エンジンの特徴である、高回転域まで気持ちよく吹け上がるフィーリングに、さらに磨き上げました。

 外観では、ゴールド塗装のBBS製19インチ鍛造アルミホイールを装着し、フロントグリルやリアバンパーには、STIのコーポレートカラーである「チェリーレッド」の差し色を採用。

 ドアミラーやシャークフィンアンテナはブラックに塗装することで、全体を引き締めるアクセントとしています。

 WRX STI EJ20ファイナルエディションは、受付期間中に購入希望者が台数を上まわったため、最終的に抽選販売(商談権の抽選)となりました。

 なお、当時の価格(消費税込)は452万1000円から485万1000円でしたが、現在は700万円台から800万円台で中古車が販売されています。

スバル・WRX STI の中古車をさがす

●S209

歴代最高のパワーを誇り、より獰猛なスタイルに変貌を遂げた北米限定車の「S209」

 前出のとおり、日本ではWRX STI EJ20ファイナルエディションが最後の限定車でしたが、アメリカでは2019年に、WRX STIベースのSTI謹製コンプリートカー「S209」が209台限定で販売されました。

 エンジンはアメリカ仕様のWRX STIに搭載された2.5リッター水平対向4気筒ターボ「EJ25型」をベースに、大型エアクリーナーや専用吸気ダクト、大径ターボチャージャー、専用設計の低背圧マフラー、専用ECUなどによるチューニングで最高出力は歴代最強の341hpを発揮。

 組み合わされるトランスミッションは、もちろん6速MTのみです。

 エンジンと同じく、日本で販売されたWRX STIベースのコンプリートカーと大きく異なっていたのが外観で、カナード一体型のフロントオーバーフェンダーとリアオーバーフェンダーが装着され、ボディサイズは全長4620mm×全幅1839mm×全高1475mmとベース車に対して全幅が44mmワイドになっています。

 また、専用の前後アンダースポイラー、ドライカーボン製の大型リアウイングが追加され、車高のローダウンと専用の19インチホイールによって、よりアグレッシブなスタイルに変貌。

 ほかにもカーボン製ルーフなどによる軽量化とボディ剛性の向上、足まわりではビルシュタイン製ダンパー、強化されたコイルスプリングとブッシュを装着し、コーナリング性能も高められています。

 S209は発売後に即完売し、日本でも販売してほしいというリクエストもあったようですが、結局は実現しませんでした。

※ ※ ※

 現在、日本車においては、同クラスの高性能セダンは貴重な存在となっています。

 さらに、脱炭素化が急速に進みつつある昨今、WRXはピュアな内燃機関を搭載した高性能モデルであり、このことも大変貴重な存在といえるでしょう。

 新型WRXは、今後さらにハイパフォーマンスな特別仕様車やコンプリートカーの登場も期待できますから、日本での発表が待ち遠しいファンも多いのではないでしょうか。

【画像】ジツは新型「WRX」の外観はかなり個性的? 新型と共に特別なWRXを見る(40枚)

【注目!】 スバルは何が凄い? クルマ好き必見な情報を見る!

画像ギャラリー

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー