ナゾの地名「野長ナンバー」 日本には実在せず! なぜ海外では20年以上人気がある?

「野長」は「長野オリンピック」に関係している?

 アメリカで日本の1990年代スポーツカーを扱う専門店に「長野」という地名がどれくらい認識されているのか聞いてみたところ、次のように話していました。

「長野は1998年の冬季オリンピックがおこなわれた場所だから世界で有名になりました。

 東京や神戸、京都など海外によく知られた日本の都市名ではなく、今まで聞いたことがなかった『長野』という地名が新鮮なイメージを与えたのでしょう。

 また、1990年代の終わりといえばインターネットが一般に普及し始めた時期ですから、『長野』の地名も世界に拡散されたのかもしれません。

 実際、「長野」でも「野長」でもその違いを気にする人はアメリカではほとんどいないでしょう。

 日本のナンバープレートらしく漢字が使われていればそれでいいのかもしれません」

「ロングビーチ=長浜」というナンバー(photo:Japanese Classic Car Show 日本旧車集会)
「ロングビーチ=長浜」というナンバー(photo:Japanese Classic Car Show 日本旧車集会)

 さらに、カリフォルニア州ロングビーチで開催される全米最大の旧車イベント「JCCS」(Japanese Classic Car Show日本旧車集会)を2005年の初回から主催するテリー山口氏は、「野長」について次のように話しています。

「野長はかなり前からよく見ますが、多分最初にレプリカのJDMプレートを製作して売り出したショップが作ったものがはびこっているだけではないでしょうか。

 大量生産したほうが1枚当たりのコストが安いので、たくさん作ったのかもしれません。

『長野』ではなく『野長』にしたのは、単なるミスということも考えられますが、(あくまで私の推測ですが)長野は実際にナンバープレートの地名として日本で使われているため、ナンバープレートの偽造という違法行為に当たらないよう、わざとひっくり返して『野長』にした可能性もあります」

 前述にある「野長」の由来を販売業者や事情通の話からまとめてみると、次のようになります。

 ・「野長」は「長野」に由来する。1998年長野オリンピックで「長野」の名前が世界に拡散?
 ・違法行為にならないよう、敢えて「野長」にした説もあり
 ・JDMプレートがはやり始めた頃、最初に「野長」でレプリカナンバーを作ったその流れで今もポピュラー
 ・地名の意味まで調べる人は少なく、ほとんどの人が「ナンバーに漢字がついていればそれでいい」と思っている?

※ ※ ※

 ちなみに、JCCSでは2019年は15周年を記念して、「長浜15 あ 旧車‐集会」なるナンバープレートを作成しました。

 長浜は会場である都市名「ロングビーチ」をそのまま日本語にしたものです。

 前出のテリー氏いわく「意味を聞いてくる人は数人です。販売する際には説明文を入れています」とのことでした。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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