ナゾの地名「野長ナンバー」 日本には実在せず! なぜ海外では20年以上人気がある?

海外では、日本車や日本のクルマ用ステッカーが人気となっています。それは日本のナンバープレートも対象で、海外では多くのレプリカが販売されています。そのなかで、「野長ナンバー」という実在しないナンバープレートが人気なようですが、それはなぜなのでしょうか。

海外で人気の「野長ナンバー」とは?

 日本では、希望ナンバーやご当地ナンバーなど、自分のクルマに取り付けるナンバープレートにこだわる人も多くなっています。
 
 一方で海外では日本のナンバープレートが人気を集めているといいますが、そのなかでも日本に実在しない「野長ナンバー」の人気があるようです。

海外では謎の「野長ナンバー」が人気だという(photo:sign*chicken)
海外では謎の「野長ナンバー」が人気だという(photo:sign*chicken)

 海外、とくにアジアや北米では2000年以降の日本製スポーツカーの人気と共に、日本のレプリカ(模造)ナンバーを愛車に取り付ける「ナンバープレートカスタム」が広まってきました。
 
「25年ルール」や「JDM」という言葉が海外の日本車ファンの間で広く認知されるようになった2010年代前半頃から、日本のナンバープレートは「JDM plate」(JDMプレート)と呼ばれ、レプリカから本物の使用済みナンバーまでebayなどのフリマサイトで多数、販売されています。

 なお、本物の使用済みナンバープレートには返納義務があり、廃車手続きのあと記念所蔵として破壊処理(直径40ミリの穴をあける)したプレート以外、日本から持ち出されることがそもそも違法です。

 人気のレプリカナンバーには「横浜」「神戸」「京都」など海外でも良く知られる都市名が多く使われていますが、実はこれらの有名都市よりも圧倒的にポピュラーな地名があります。それが「野長」です。

 日本のフリマサイトで販売されている例は少数ですが、ebayやWISHウィッシュといった海外のフリマサイトには多数の「野長」なる地名のレプリカナンバーが出品されており人気商品となっています。

 海外のフリマサイトでは、「Japanese License Plate」や「JDM Plate」などの商品名で販売されていることが多く、特徴としては以下が記されています。

 ・アルミ製なので錆びない
 ・穴が開いているのですぐに取り付け可能
 ・穴の位置は多少の誤差があるかも
 ・取り付けはプロにやってもらうのがおススメ
 ・サイズは33cm×16.5cm(日本の中型ナンバープレートのサイズと同一)

 なお価格は幅が広く1枚1300円前後から4000円前後まで同じようなナンバーに見えても差があります。

 その「野長」ナンバー。「日本人なら『長野』の反対じゃないの?」ということはすぐにわかるでしょう。

 では、「なぜ反対なのか?」また、「東京」や「京都」「横浜」など世界に名が知れた都市ではなくなぜ「長野」がベースになっているのでしょうか。

 海外のフリマサイトで野長ナンバーを3年前から販売している業者に「野長」の意味を聞いてみたところ、次のように話しています。

「漢字のナンバー、日本のナンバープレートはとくに人気があります。

『野長』の意味は良く分かりません。日本にある地名だと聞いたことがあります。

 JDMプレートのなかではかなり昔からありますね。『横浜』も『札幌』も『京都』など、いろんな名前がありますが漢字の意味はわかりません。

『野長』が人気というよりも、十年以上前からあるからたくさん販売されているという感じです」

※ ※ ※

 販売側も「野長=地名」だという認識はあるようですが、その意味や由来などは深く考えたことがないようです。

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