アストンマーティン「DBX」と「ウルス」「カイエン」の決定的な違いとは? 特別なフィーリングがもたらす美徳

アストンマーティンが、2019年に同社初となるSUVとして生み出した「DBX」は、販売当初から注目度が非常に高く、2020年の売上実績は「DB11」や「ヴァンテージ」を上まわったほど。今回は実際にモータージャーナリストの西川淳氏に東京から京都まで試乗、DBXの実力を試してもらいました。

1.7mというローボディの不思議さ

 アストンマーティンのSUV、「DBX」をドライブしていると、不思議な気持ちになる。いや、実のところ、乗り込む前から不思議な感じだった。

 少し離れたところから広いパーキングに単独で佇むDBXを発見したときには、そう大きなクルマには見えなかった。SUV離れしたクーペフォルムのせいだ。他にないプロポーションで印象にとても強く残る。

 ところが近寄るにつれてクルマのサイズがどんどん大きくなっていく。脇に立ったときには、全長5m、幅2mのデカさを痛感した。背丈が1.7mとこの手のSUVとしては異例に低いため、大きく見えなかっただけだったのだ。

初のSUV開発にあたって、プラットフォームは新たに設計された。素材は他のアストンマーティンモデルと同様、丈夫で軽量な接合アルミニウムが採用されている(C)橋本玲
初のSUV開発にあたって、プラットフォームは新たに設計された。素材は他のアストンマーティンモデルと同様、丈夫で軽量な接合アルミニウムが採用されている(C)橋本玲

●不思議な感覚に襲われる「DBX」というSUV

 そんな大きなクルマに乗り込む。他のアストンマーティンのようにお尻から滑り込むように乗るわけにはいかない。そこはSUVらしく、昇り気味に乗り込まなければならない。当然、見晴らしはよく、背の低いクーペでは考えられないくらいに広々としている。けれどもガラスエリア以外の景色はアストンマーティンそのもので、SUVにありがちな骨太でワイルドな仰々しさなどはまるで感じない。

 そこからまた少し不思議な気分になっていく。昇って辿り着いたというのに、シートに腰を落ち着けてドライブの準備をしているうち、今度はアストンマーティンに乗った記憶が蘇ってきて、にわかに興奮し始める。そう、当たり前のことかも知れないけれど、アストンマーティンに乗るんだぞ、という気分になっている。“昇って乗り込んだ”にもかかわらず、だ。

 動き出すと不思議さがさらに増していく。街中の速度域における車体の動き(反応)がまるでSUVらしくない。どちらかといえばクーペに近い。前輪は機敏に動くし、何よりタイヤの大きさを感じさせない。それゆえ重いクルマだという実感すら湧かない。あまりに動きが軽快にすぎるから、他のSUVから乗り換えた人にはかえって運転しづらいのでは?と心配になったほどだ。

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