デビューから丸3年 スズキ「ジムニー」がいまだに納車1年待ちの“なぜ?”
スズキ「ジムニー」の人気が止まりません。デビュー時にはその爆発的ヒットから、納車が1年以上待ちといわれていましたが、3年経ったいまでもその納期の長さは変わらないようです。なぜデビューから3年が経ったいまでも、そのような状態が続いているのでしょうか。
一時期は納車待ちが半年強にまで改善したが…
2018年7月のデビューから、丸3年が経過したスズキ「ジムニー」シリーズ。発売直後の爆発的ヒットから、未だその勢いは衰えを見せていません。
ジムニーといえば、もはやデフォルトになってしまっている納期の長さ。一時期はかなり解消されつつあるという情報もありましたが、その後どうなっているのでしょうか。
都内にあるスズキ直営の販売店、スズキ自販東京・スズキアリーナの営業スタッフに聞いてみました。
返ってきたのは「すみません、ジムニー、ジムニー シエラともに1年以上かかるとご案内しています」という答えでした。
夏前に聞いた話では、ジムニー、シエラともに半年強で納車されているということだったのですが…。中部や関西の販売店にも問い合わせましたが、やはり1年以上待ちということでした。
スズキは2021年4月から、インドのマルチ・スズキ・インディアの工場にシエラの生産を移管し、輸出用の車両についてはそちらで生産しています。これによって、国内向けのシエラが実質的な増産状態となり、順調に納車され始めているという話でした。
また2020年にはコロナ禍の影響によって、国内生産が一時的にストップしたこともありましたが、その後の生産体制の見直しにより、現在ではコロナの影響を受けていないといいます。
では、なぜジムニーの納期はまた1年を超えてしまったのでしょうか。そこには自動車業界全体が抱える、ある問題があります。
それは、半導体不足。半導体業界は、過剰供給を防ぐため、世界的にコロナ禍が広がった直後から生産数を絞りました。しかし、実際の市場は縮小どころか拡大する傾向を見せたため、ITや自動車などさまざまな業界が、半導体を取り合うという過度な不足状態に陥っています。
とくに自動車業界は、半導体メーカーとの結び付きが弱いという意外な側面があり、どのメーカーも生産を縮小せざるを得なくなっているのです。スズキも他聞に漏れず半導体不足の影響を受けており、2021年4月から2022年3月までの世界生産を、計画当初よりも35万台減産すると発表しています。
ジムニーの納期もその影響を受けているわけですが、納期が再び1年を超えた現状でも、オーダーに来るユーザーが絶えないと、前出の営業スタッフはこういいます。
「この夏休み中にも、走っているジムニーを見たお客様が気に入られて商談に来られますね。8月も数件の契約をいただきました。お待たせして申し訳ないのですが、契約していただけるお客さまは“気長に待つから”という方が多いので、お受けすることにしています」
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