今に続く先駆け的存在! スタイリッシュなネオクラシックSUV3選

ここ数年で急激に人気が高まったクルマといえばSUVです。なかでもオンロード走行に特化して開発されたクロスオーバーSUVが主流で、デザインが洗練されたモデルも数多く存在。そこで、黎明期に誕生したスタイリッシュなSUVを、3車種ピックアップして紹介します。

黎明期に誕生したスタイリッシュなSUVを振り返る

 時代によってクルマのニーズは変化し、ヒットするモデルも大きく様変わりしています。近年は世界的にSUVが高い人気を誇っているのは誰もが知るところで、コンパクトなモデルから大型でラグジュアリーなモデルまで、各メーカーともさまざまなSUVを展開しています。

スタイリッシュなデザインのネオクラシックSUVたち
スタイリッシュなデザインのネオクラシックSUVたち

 SUVの起源はクロスカントリー4WD車ですが、よりオンロード走行に適したモデルへと進化し、外観デザインもスタイリッシュなモデルが次々と登場。

 そこで、黎明期に誕生したスタイリッシュなSUVを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「RAV4」

現在に通じるクロスオーバーSUVの元祖ともいえる初代「RAV4」

 1990年代の初頭に、日本ではクロカン車が爆発的にヒットしました。いわゆる「RVブーム」の到来です。

 当時、トヨタは「ハイラックスサーフ」や「ランドクルーザー」シリーズがヒットしていましたが、より普段使いに適したRVとして、1994年に初代「RAV4」を発売。

 RAV4は一般的な乗用車に準じた基本構造とされ、シャシはクロカン車がラダーフレームだったのに対してモノコックを採用。

 外観では最低地上高を高めて背面スペアタイヤを装備するなどクロカン車のイメージが色濃く残っていましたが、全体的に丸みをおびた都会的なフォルムです。

 デビュー時のボディタイプは3ドアのみでしたが、1995年にはより使い勝手の良い5ドアの「RAV4 V」(ファイブ)を追加。

 ボディサイズは、全長3705mm(3ドア)-4115mm(5ドア)×全幅1695mm-1760mm×全高1645mm-1660mmと、現在のSUVと比べてかなりコンパクトなサイズで、取り回しの良さから女性からも支持されました。

 エンジンは2リッター直列4気筒を搭載し、駆動方式はFFベースでベベルギア式センターデフを持つ本格的なフルタイム4WDを採用。

 初代RAV4はオンロード走行を重視した新ジャンルの4WD車として、一般の乗用車から乗り換えても違和感のない運転感覚や快適性から高い人気を誇りました。

 現行モデルは2019年4月に発売された5代目で、初代からのコンセプトを受け継ぎ、好調なセールスを続けています。

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●スバル「レガシィ グランドワゴン」

世界的に広まったステーションワゴンタイプSUVのお手本になった「レガシィ グランドワゴン」

 一旦、日本市場での販売が終了してしまったスバルのクロスオーバーSUV「レガシィ アウトバック」ですが、2021年秋にいよいよ復活します。

 このレガシィ アウトバックの初代にあたるモデルが、1995年に登場したスバル「レガシィ グランドワゴン」です。

 ベースとなったのは2代目レガシィ ツーリングワゴンで、もともとは1994年に北米市場向けに2代目レガシィをベースに内外装をSUVテイストとした初代「アウトバック」の日本仕様として開発。

 外観のシルエットはツーリングワゴンに準じていますが専用のサスペンションによって最低地上高が200mmまで上げられ、同じく専用デザインのフロントグリルと前後バンパー、サイドプロテクターなどを装備し、ボディ下部をグレーに塗装した2トーンカラーとするなど、SUVらしさを表現。

 エンジンは最高出力175馬力の2.5リッター水平対向4気筒自然吸気で、組み合わされるトランスミッションは4速ATのみと、ツーリング性能が重視されています。

 駆動方式はフルタイム4WDで、オールシーズンタイヤとリアにビスカスLSDが標準装備されるなど、悪路走破性も考慮。

 アウトバックはアメリカで大ヒットしてスバルのブランドイメージ向上に貢献し、日本でも新ジャンルのステーションワゴンとしてヒットしました。

 その後、国内では車名が「レガシィ ランカスター」となり、2003年には「レガシィ アウトバック」へ車名を変更して現在に至ります。

 既存のステーションワゴンをベースにクロスオーバーSUVに仕立てたモデルは、欧州メーカーを中心に定着していますが、レガシィ グランドワゴンの成功によるものといっていいでしょう。

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●ジープ「チェロキー」

手頃な価格とサイズによって日本でスマッシュヒットを記録した2代目「チェロキー」

 アメリカのジープといえば、「ラングラー」シリーズに代表されるクロカン車やSUVに特化したメーカーで、近年は日本でも好調なセールス記録しています。

 このジープが日本で広く知られ、普及するきっかけとなったモデルといえば、1984年にアメリカで発売された2代目「チェロキー」です。

 2代目チェロキーが日本で販売されたのは1985年からで、外観は直線基調のステーションワゴンタイプでシンプルなデザインとなっています。

 フロントグリルにはジープ伝統の「7スロット」を採用するなど、一見するとクロカン車のイメージが強いのですがシャシはモノコックを採用。

 当初、日本で販売されたグレードは「ラレード」と「リミテッド」で、価格は400万円台からと比較的高額なグレードに限られていましたが、1994年からエントリーグレードの「スポーツ」を追加ラインナップ。

 1ドル100円を大きく割り込むほどの円高傾向だったことから200万円台の低価格を実現し、右ハンドル車を設定したことからたちまち人気車種となりました。

 搭載されたエンジンは当初2.8リッターのV型6気筒でしたが、後にトルクフルな4リッター直列6気筒にスイッチ。トランスミッションは4速ATのみで駆動方式はパートタイム4WDです。

 ボディサイズは全長4400mm×全幅1770mm×全高1650mm(スポーツ)と、アメリカ車ながら日本の道路事情にもマッチしたサイズだったことも、ヒットにつながった要因のひとつでしょう。

 その後、2代目チェロキーは2001年まで販売されたロングセラーとなり、同年に3代目が登場。以降は外観にラングラーのイメージが反映されていましたが、現行モデルの5代目はシャープなフォルムを採用しました。

※ ※ ※

 前述のとおり、もうすぐ新型レガシィ アウトバックが日本でも発売されます。アメリカではより悪路走破性を高めた「アウトバック ウィルダネス」がラインナップされるなど、スバルとしてもかなりの力作といえるでしょう。

 純粋なステーションワゴンタイプのSUVは、輸入車では競合が多いのですが、国産メーカーではライバル不在です。

 満を持して国内で復活するレガシィ アウトバックですから、果たしてヒットするのか注目されています。

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