レクサス「LFA」が1億7500万円で落札! ニュル・パッケージは別格だ
2021年のモントレーで開催されたRMサザビーズオークションには、2台のレクサス「LFA」が出品された。スタンダードモデルとニュルブルクリンク・パッケージでは、どれくらい価値に差があるのだろうか。
至高のV10サウンドを奏でるレクサス「LFA」
2009年10月、第41回東京モーターショーで、歴史に残るクルマがワールドプレミアされた。レクサス「LFA」である。
4.8リッターV型10気筒の1LR−GUE型エンジンをフロントミッドシップに搭載し、6速のASG(オートメーション・シーケンシャル・ギアボックス)を介して駆動するFR方式を採用したLFAの重量配分は48:52となっているが、それはトランスアクスル構造や、ラジエーターをリアへ配置するなどして実現された。
シャシはカーボンモノコックを採用し、車両重量は1480kgと軽く、V10エンジンが発生する560ps/480Nmという出力によって、最高速度は325km/h、0−100km/h加速は3.7秒を実現している。
●500台限定の「LFA」
製造はトヨタ元町工場内の専用工房でおこなわれ、販売台数は500台のみ。日本での販売価格は3750万円だった。
しかし、レクサスLFAの魅力は、それだけではない。実際に聴いたヤマハがチューニングしたエンジンサウンドは、それまでに体感したことがないものだった。V10エンジンの音だけではなく、内装材の材質や形状、風切り音にもこだわったサウンドの聴かせ方は、ゆっくり走っているときでさえ、走る楽しさを伝えてくれた。
速いだけのクルマはたくさんあるし、価格が高いクルマもたくさんある。販売台数をごく少数に絞ったクルマも、もちろんある。カーボンセラミックブレーキローターや、グラスコックピットなどといった装備を持つスポーツカーはもはや当たり前の時代だ。
しかしレクサスLFAは、それらのアイテムのすべてに、装備すべき意味を持っている。まさにスーパースポーツというにふさわしい、高い価値を持つクルマといえるものだ。
そんなレクサスLFAは、世界各国からオーダーが入り、日本では最終的に約200台が販売されたといわれている。つまり残りの300台程度が、他国で販売されたわけだ。
その500台という販売台数のなかには、サーキット走行をターゲットとした『ニュルブルクリンク・パッケージ』が50台程度含まれている。
このニュルブルクリンク・パッケージは、標準車に固定式リアウイングやカナードスポイラーなど空力パーツを装備し、ホイールをアルミ鍛造からマグネシウム鍛造に変更。車高も10mm程度低くなっている。
●ニュルブルクリンク・パッケージとは
今回、アメリカ・モントレーで開催されたRMサザビーズオークションに出品されたLFAは2台あったが、そのうちの1台がこのニュルブルクリンク・パッケージである。
アメリカで販売されたニュルブルクリンク・パッケージはわずか25台のみ。そのほとんどは、オレンジやホワイトといった、世界的に人気が高いボディカラーだったのだが、この個体はブラックで、アメリカではたった3台しか存在していない。
しかもこの個体は、オーストラリアにある『The Fox Collection』という、コレクターによって保管されていたもの。文字どおりの、コレクターコンディションである。
走行距離は926マイル(約1500km)しかない。空調設備の整ったガレージで保存されていたので、コンディションは良好だ。
こうしたこともあり、この個体につけられたエスティメートは、90万ドル(邦貨換算約9860万円)から110万ドル(同約1億2000万円)という、高額での落札が予想されていた。
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