ホンダが迷走!? オデッセイやレジェンドなど続々終了! 国内戦略の行く末は?

電動化が進むなか、日本市場におけるホンダの戦略は?

 では日本で販売する電気自動車はどうするのかといえば、可能性として中国由来が考えられます。

 ホンダにとって中国はアメリカの次に重要なマーケットになっており、しかも電気自動車の需要が大きい。

2022年春にホンダが中国で発売予定の電動SUV「eプロトタイプ」
2022年春にホンダが中国で発売予定の電動SUV「eプロトタイプ」

 すでに中国の電池メーカーとも技術&資本的な提携をしていて、次世代電池といわれる「全固体電池」まで有望なリン酸鉄リチウム電池も使えます。

 それなら中国で生産する「ヴェゼル」級の電気自動車を日本導入するのかとなれば、これはまったく話にあがらない。

 トヨタはEV「bZ4X」の販売を示唆していたり、日産もEV「アリア」など本格的に電気自動車の日本戦略を組んでいる。

 ホンダのみ何のアナウンスもなく(2020年に発売した「ホンダe」についちゃお話にならない)、このあたりが投資家やホンダファンの不信感を増幅しているように思います。

 また、トヨタや日産、スバルなどで好調な利益幅の大きい300万円以上の車種展開についても、ホンダの場合は戦略が見えてこない。

 300万円を超える「シビック」は売れると思えないし、本来なら人気車になるはずのDセグSUV(ホンダなら「CR-V」)だって浮上の気配なし。

「インサイト」や「アコード」もデビューと同時に開店休業状態。「ステップワゴン」だって1人負けです。

 そもそも日本の工場はシビック級より小さいクルマしか作れない。Dセグ以上を作ろうとすれば、アメリカか中国かタイの工場しかなくなってしまった。

 前述の通り海外工場製の車両を日本で販売しようとしたら価格競争力は持たせられない。かといって高い価格を付けようとしたらブランドイメージが低いため売れません。

 ということで、アメリカ市場と中国市場は盤石だから収益面で不安のないホンダながら、日本の戦略がまったく見えてこない(欧州戦略はさらに先細り)。

 米・モントレーで、ホンダが海外で展開するアキュラが新型「インテグラ」を復活させると発表したが、アメリカ工場製のため、もし日本に導入されるとなると驚くほど高くなりそう。

 日本のホンダファンのためにもそろそろ三部さんが夢を語って欲しいと思う。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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