【単独インタビュー】ポンタス・ヘグストロム氏に聞くFCAとPSAの近未来(前編:サービス体制に変化はあるのか)

FCAジャパンとグループPSAジャパンの社名は変更されるのか?

●ステランティスになることでのメリットとは

──オペルの展開については、今後どんな流れになっていく予定ですか?

「来年に導入していくという、もともとの私達のプランに変更はありません。」

──これからFCAジャパンとグループPSAジャパンがひとつになって、8つのブランドを持つステランティスとして活動していくことになるのだと思います。具体的にはどのような流れになっていくのか、時期や体制について教えてください。

「今の時点では、まだ組織をどうするかというのは決めていません。たとえばフォルクスワーゲン・グループの名の元に日本にも複数の組織が存在していますし、そもそも会社を統合するということそのものが私達の目的ではありません。私達にとってもっとも大きな焦点は、個性豊かなブランドの価値を高めていくこと、そしてお客様の満足度を上げていくということ。そこは何ひとつとして変わりません。

 消費者の方にとっては、選択肢を増やすという意味でお役に立てると思っています。私達は世界的な自動車会社ですので、それぞれのブランドが取り揃えている様々なクルマを、ふたつの会社がまったく別々だったときよりも素早く日本市場に投入できると思います。そしてまた電動化への対応も、より素早く進められると考えています。

 またディーラーについては、このグループのなかにいるということが別の重要な機会を生むことになるかもしれません。つまり、これまで手掛けていなかったブランドのディーラーになるチャンスがあるからです。それは私達のグループの非常に大きな魅力になると思います」

──ということは、それぞれの会社の社名は変わらないのですね?

「質問されるまで、考えたことがありませんでした(笑)。解りやすくするという意味ではいずれ考えた方がいいのかも知れませんが、当面は両社ともこのままでやっていくつもりです」

FCAジャパンとグループPSAジャパンの代表取締役社長を兼務するポンタス・ヘグストロム氏
FCAジャパンとグループPSAジャパンの代表取締役社長を兼務するポンタス・ヘグストロム氏

──ふたつの会社を統合することが目的ではないとおっしゃいましたが、両社のスタッフの方が一箇所に集まって仕事をすることになる可能性はあるのですか?

「今のところはありません。それぞれのオフィスを維持していく方針です。両社でそれぞれ同じ内容の仕事をしているスタッフ達が親しく交流して、知見を交換していくことはあるでしょう。両社の距離は、もちろん近くなっていきます。私達がここで捉えなければいけないのは、ふたつの会社の良いところを持ち寄ってお互いに学んでいく、ということなんです。FCAとPSAのどちらのプライオリティを強くするとか、そういったこともまったくありません。

 私達は消費者の方々や販売してくださるディーラーのために協力していく、という立場です。もはやライバル同士ではありません。協業していくことによって、何らかのメリットを消費者の方々やディーラーにお届けする。お互いに良いところを持ち寄って学び合うということを申し上げましたが、そうしていくことでお互いの至らなかったところをつぶしていき、無駄なところは削除してそこに費やしていたエネルギーを意味のある他のことに活かしていく。そんなふうに成長していける組織にしていきたいと考えています」

●バラエティに富んだ8つのブランドを届ける

──他のメーカー/インポーターには見られないくらい個性豊かな8つのブランドを取り揃えることになるステランティスですが、日本における展望をお聞かせください。

「まず、私達はステランティスという新たなコーポレートブランドを推進していくわけではない、ということをはっきりさせておきたいと思います。私達は両グループとも、日本の消費者の方々に様々な選択肢をお届けしたい、と考えています。日本というある意味では統一されている感のある自動車産業において、独特のカラーを持つバラエティに富んだ選択肢をお届けしたい。そうした私達の根本的な役割やビジョン、目的などはあまり変わらないのかも知れません。つまり、今後もそれぞれのブランドにフォーカスしていく、ということは一切変わりません。

 ただ、いい考えを思いついたらそれを他のブランドにも展開するというかたちで、ユニークなソリューションを様々なブランドに展開していくことはできると思います。たとえば、今はまだ実体のあるお話ではないのですが、8ブランドすべてを対象にしたサブスクリプションというようなことだとかも考えることはできるわけです。また、私達は輸入車のなかでは最大のディーラーネットワークを持つことになるわけで、そのすべてにEVのチャージングステーションを設けて、それをどのブランドの方でも利用できるようにすることだとかも。色々と夢を描いていけると考えてます」

* * *

 FCA、PSAが擁しているブランドは、そのどれもが個性的なものばかりだ。それだけに、こだわりを持って愛車に選んでいるオーナーが多い。グループが統合されることによって、日本におけるディーラー網やサービスに変化があるのか、気になっている人も多いだろう。

 しかし、今回のヘグストロム氏のインタビューで、そうした心配は杞憂であることがはっきりした。それどころか、オペルを含んだ8つのブランドを横断したサービスの展開も視野にあるようだ。

 インタビュー【後編】では、もっとも気になる各ブランドの新車展開やEV化への取り組み、そしてヘグストロム氏のパーソナルなことについてもインタビューしている。

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