人気SUVランドローバー「ディフェンダー110」は「Gクラス」より買いか!?
新しい何かを予感させる「ディフェンダー」
試乗したディフェンダー110の3リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジンは、そのスムーズさも見逃せない魅力だ。車内にいる限りは、振動やノイズを意識しなければそれと感じることはないし、またそのフラットなトルク特性は、仮にオフロードに足を踏み入れても扱いやすさというメリットとなってドライバーを助けてくれるだろう。
ちなみにモデルは新しくなっても、伝統のオフロードドライブに対する備えは万全で、スイッチ操作ひとつでベストな4WDモードを選択することができる。
●個人的には「ディフェンダー110」がベストSUVだ
加速はディーゼルエンジンらしく、低速域から実に力強く感じるものだ。加えて、騒音と振動が巧みに処理されているため、発進直後の動きはスポーツカーのそれにも似たオフローダーという印象だ。
装着されるタイヤはオプションで用意される255/60R20サイズのオールシーズンタイヤであることは、本格的にオフロードを楽しむ目的のカスタマーにはやや残念なところ。一方、ホイールのデザインは多彩に揃っている。
改めてボディ全体のデザインを見る。あくまでも現代における最新のエアロダイナミクスを追求しながら、これまで継承してきたディフェンダーの伝統的なディテールを巧みに感じさせるフィニッシュが採り入れられている点が、デザイン上の最大の魅力だ。
キャビンもウッドパネルを使用するなど高級な仕上がりだが、ドライバーズシートからの後方視界は、リアシートとリアハッチに背負うスペアタイヤでかなり制約されてしまうのが残念だった。
そして全長×全幅×全高で全長4925mm×全幅2008mm×全高5018mm(スペアタイヤを含む)というサイズをどう考えるのかが、ライバルとの比較では大切な課題になるだろう。
たとえば現在のGクラス(G350d)の全長は4660mm、全幅も1930mmしかないのだ。快適なリアシート空間、さらにサードシートを装備するために、ディフェンダー110のホイールベースは3022mmにも達するのである。
それでも自分自身は、日本市場にあるクロスカントリー車のなかから1台選べと問われるならば、このディフェンダーを、しかもロングボディの110を選択するだろう。
110の使い勝手の良さは何物にも代えがたい魅力であるし、オンロードでの走り、そしてオフロードの走破性への期待も果てしなく大きい。
「新たなライフスタイルが想像できる1台」。これこそがディフェンダーの最上級グレード「X」に試乗して得た結論だった。
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