惜しまれつつ消えた車たち! かなりイケてた最終モデル3選

長い歴史のあるクルマや過去にどれだけヒットクルマでも、売れなくなってしまえば消える運命にあります。そこで、かつて一世を風靡しながらも消滅してしまったクルマ3車種の最終モデルを、ピックアップして紹介します。

惜しまれつつ姿を消したクルマの最終モデルを振り返る

 トヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」など、半世紀以上もの長い歴史を刻むモデルがあります。また、ホンダ「N-BOX」のように、誕生以来売れ続けるモデルもあります。

 しかし、こうしたモデルがこの先も安泰かというと、そうとも限りません。

一時は一世を風靡したほど人気だったモデルの最後とは?
一時は一世を風靡したほど人気だったモデルの最後とは?

 歴史のあるモデルや過去にヒットしたクルマでも、売れなくなってしまえば、いつかは消える運命にあるといえるでしょう。

 そこで、かつて一世を風靡しながらも消えていったスポーティカー3車種の最終モデルを、ピックアップして紹介します。

●ホンダ「プレリュード」

最後は美しくシャープなフォルムへと回帰した5代目「プレリュード」

 ホンダは1972年に新世代の大衆車として初代「シビック」を発売し、国内外で成功を収めたことから、クルマつくりについて大きな転換期を迎えました。

 その後、1976年には初代「アコード」が誕生。それまでの路線とは大きく変わった車種の拡充を開始して、1978年には初代「プレリュード」がデビューしました。

 初代プレリュードはホンダの新たなスペシャリティカーとして開発されましたが、ヒット作になったとはいえず、1982年に登場した2代目ではすべてを一新。

 2代目では低いボンネットの先端に流行のリトラクタブルヘッドライトを配置した流麗なフォルムとし、充実した装備によって人気を獲得しました。

 その後もプレリュードはホンダを代表するスペシャリティカーとして代を重ね、1996年には5代目が登場します。

 外観はアメリカ市場を重視した4代目から大きく変わり、大ヒットした3代目のようなシャープなデザインに回帰。内装は派手さを抑えてシックな意匠ながら、スポーティに仕立てられました。

 トップグレードには最高出力220馬力を発揮する2.2リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載し、4輪ダブルウイッシュボーンの優れた足まわりと相まって、余裕ある走りが楽しめる大人のスポーツクーペといった印象です。

 しかし、5代目がデビューした頃にはすでに2ドアクーペのニーズは低迷しており、販売が低迷したことから2001年に生産を終了。プレリュードはこの代をもって23年の歴史に幕を閉じました。

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●トヨタ「セリカ」

優れたハンドリングのFFスポーツカーだった7代目「セリカ」(画像は欧州仕様)

 トヨタは1970年に初代「セリカ」を発売。若者でも手が届くスペシャリティカーであり、「フルチョイスシステム」という内外装やエンジン、トランスミッション、装備が選べるセミオーダープランを展開するなど、エポックメイキングなモデルでした。

 そして、1985年に発売された4代目では、全車FFが基本となり、さらに1986年には高性能なターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせた「GT-FOUR」が登場してラリーで活躍するなど、誕生以来で大きな転換期を迎えました。

 その後、6代目まで4代目のコンセプトは継承されましたが、1999年にデビューした7代目は再び大きくコンセプトが変わり、全グレードがFFの2WDのみとされエンジンもすべて自然吸気へと変貌。

 ボディは3ドハッチバッククーペのみでコンバーチブルは廃止され、縦長のヘッドライトと空気を切り裂くような、スポーツカーらしいシャープなフォルムが特徴的です。

 エンジンは前述のとおり全グレードとも1.8リッター直列4気筒自然吸気で、トップグレードの「SS-II」には最高出力190馬力を発揮するスポーツユニットの「2ZZ-GE型」を搭載。トランスミッションは6速MT(SS-II)、5速MT、4速ATがラインナップされました。

 足まわりはフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンを採用した4輪独立懸架となっており、SS-IIにはカローラレビン/スプリンタートレノで実績があった「スーパーストラットサスペンション」搭載車を設定。1トン少々の軽量な車体と相まって、FFスポーツカーとしてハンドリング性能は高く評価されました。

 しかし、前出のプレリュードと同じくニーズの変化には抗えず、セリカの販売は好調とはいえず、2006年に生産を終了。長い歴史のあるセリカでも消えざるを得ませんでした。

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●日産「シルビア」

性能とデザイン的にも、最上の進化を果たしたといえる7代目「シルビア」

 日産は1965年に、美しいフォルムの高級スペシャリティカーである初代「シルビア」を発売。まだマイカーを手に入れることがとても贅沢だった時代に、2シーターの高額なスペシャリティカーが売れるはずもなく、3年ほどで生産を終了、

 そして、1975年に量産スペシャリティカーとして2代目が登場してシルビアが復活。その後は時代背景から高性能化しつつ代を重ね、1988年に発売された5代目の「S13型」がシリーズ最大のヒットを記録しました。

 この5代目のコンセプトを受け継いで1993年に6代目が登場し、1999年には7代目の「S15型」がデビュー。

 ボディはS13型以降共通の2ドアクーペのみで、3ナンバーサイズで肥大したと評された6代目からボディをダウンサイジングして再び5ナンバーサイズに戻されただけでなく、エッジの効いたシャープなシルエットにすることで、精悍な印象となりました。

 搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒のNAとターボで、ターボでは最高出力は250馬力を発揮。新たに採用された6速MTと車重を20kgほど軽量化したことも相まって、FRスポーツとして走りのポテンシャルが向上。

 しかし、S15型は排出ガス規制強化などの対応が困難なことや、日産の業績悪化もあって、発売からわずか3年7か月後の2002年に生産終了となり、後継モデルはなくシルビアの歴史は幕を閉じました。

※ ※ ※

 今回、紹介した3台は、どれもスポーティな2ドア(3ドア)のクーペです。1980年代から1990年代には、当たり前のようにクーペが売れていました。

 しかし、現在は世界的にも2ドアクーペの販売は縮小していて、日本だけでなく欧州でもクーペから撤退してしまったメーカーがあるほどです。

 昨今はSUV人気が高い状況が続いている状態で、高級なパーソナルカーとしてや趣味のクルマとしてクーペは生き残れそうですが、昔のようなラインナップが復活することはもう二度とないでしょう。

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