トヨタ新型「ランクル」買える? 600万円で落札された極上「ランクル70系」の正体とは
今や日本を代表するクロカン車に君臨するのがトヨタ「ランドクルーザー」シリーズです。過酷な環境でも高い悪路走破性能を発揮するランドクルーザーは世界中で愛されており、古いモデルでも数多くの車両が現役で走っています。そんなランドクルーザーのなかでも硬派な1台が「70系」ですが、レストア済みのモデルがオークションに登場。どんな仕様で、いくらで落札されたのでしょうか。
オリジナルを重視してレストアされた「ランクル70」とは
もうすぐ新型の登場が控えているトヨタ「ランドクルーザー」は、今や大いに注目されている存在です。
ランドクルーザーシリーズは高い悪路走破性能と耐久性、信頼性を誇り、日本を代表するクロスカントリー車に君臨し、世界中の過酷な環境で活躍しています。
そのためかなり古いモデルでも、生活の道具として現存しているだけでなく、クラシックSUVの愛好家のなかでも高い人気を誇っています。
なかでも、ヘビーデューティ系を代表するモデル「ランドクルーザー 70」は、今も海外では新車が販売されており、高く評価され、どの年代のモデルでも人気です。
このランドクルーザー 70が、世界的なオークショニアの「バレットジャクソン」において、2021年3月の米スコッツデール・オークションに出品され、5万5000ドル(日本円で約600万円/手数料込み)で落札されており、これは中東で販売される新型ランクル(300系)の約600万円台半に近しい価格となっています。
では、今回の600万円で落札されたランドクルーザー 70とは、どのような仕様なのでしょうか。
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日本でランドクルーザー 70が発売されたのは1984年11月で、ランドクルーザーの名を世界に知らしめた「40系」の後継車として登場しました。
それまで商用車としての使われ方に特化したクロカン車でしたが、乗用にも使われるようになり、ランドクルーザー 70も快適性や操作性、利便性、耐久性を向上。
ボディは当初、ショートボディのバンとソフトトップ、ミドルボディのFRPトップで、全車3.4リッター直列4気筒OHVディーゼルを搭載し、トランスミッションは5速MTのみです。
駆動方式はパートタイム式4WDを採用し、シャシは堅牢なラダーフレームにボディを架装するクロカン車では定番の構成で、高い悪路走破性能を発揮。
2004年にランドクルーザー70は国内販売を終了しましたが、その後も海外専用車として販売を継続し、フロントフェイスなどの意匠は変更していますが、フルモデルチェンジはおこなわれていません。
そして、今回オークションで落札されたランドクルーザー 70は、1993年式の北米仕様のショートボディです。
外観はリペイントされていますが新車当時の色に戻され、グリルやバンパー、オーバーフェンダーもガンメタリック塗装が施されて、古さはまったく感じられません。
内装もオリジナルを忠実に再現するレストアがおこなわれており、CDオーディオはトヨタ純正品で、シート生地は柄も当時のものと同じリペア品が使われています。
エンジンは日本仕様には設定されなかった4.5リッター直列6気筒DOHCガソリンの「1FZ型」で、トランスミッションは5速MTです。
エンジンと共にエンジンルーム内のすべてが磨き込まれており、派手な装飾は一切ない新車のままのような仕上がりとなっています。
ホイールはスチール製にこだわっており、タイヤはトーヨー製のマッドテレーンを装着。唯一モデファイされているのが足まわりで、クロカン車では有名なオーストラリア製オールドマンエミュー・ブランドのショックアブソーバーとスプリングが装着されています。
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アメリカでは40系がクラシックSUVとして絶大な人気を誇っていますが、エンジンのコンバートやリフトアップ、現代風にアレンジされたレストモッドなどカスタマイズされているケースが多く、この70のようにオリジナルを保ってレストアされたケースは非常に珍しいといえるでしょう。
600万円と聞くと少々高額に感じますが、とにかくオリジナルを忠実に再現したこの70なら、意外とリーズナブルといえそうです。
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