トヨタ新型「ランクル」発表前に早くも約2万台受注と大人気! ユーザーが関心を寄せるポイントとは
新型ランクル、ユーザーからの反響はどう?
果たして、従来のランドクルーザーユーザーには新型ランドクルーザーはどのように受け止められているのでしょうか。都内にあるトヨタモビリティ数店舗に聞いてみました。
「新型は最上級グレード・ZXが、よりオンロード指向の強いSUVルックになったことから、これまで200系に乗っていたお客さまの乗り替えがかなり多いです。
一見すると特徴のあるフロントデザインとなりましたが、ボディカラーがブラックの場合はグリル回りのスリットが目立たなくなるため、200系から乗り替えの抵抗感も少ないようです」(販売店営業スタッフ)
一方で、80系や100系といった古いモデルのオーナーは、二の足を踏むことが多いと別の営業スタッフはいいます。
「やはり標準のラインはSUVのイメージが強いため、クロスカントリー4WDの雰囲気が好きな人はGRスポーツに興味を示すようです。
GRスポーツは悪路走破性を高めるE-KDSSという新しい機構が付いているほか、タイヤサイズもオフロード走行を意識した18インチが採用されています。
往年のランドクルーザーを彷彿とさせるデザインも、ずっとランドクルーザーに乗ってこられた人には好評です。しかし、ネックは史上最高の価格ですね」。
販売店によれば、GRスポーツはガソリン車で770万円、ディーゼル車は800万円となるといいます。
その内容を見れば決して高いプライス付けではないのですが、現在の日本経済から考えれば高級車。
ユーザーのなかには、「AX(標準の中級グレード)にGRスポーツのフロントパーツを移植できないか?」という人もいるようです。
ちなみに、旧トヨペット店系列では、トヨタの高級ミニバン「アルファード」からの乗り替え組も多いといいます。
「新型はアルファード/ヴェルファイアに似たフロントマスクになったことから、300系に買い替えられる30代、40代のお客さまがかなりおられます。
子育ても一段落して、ミニバンよりもスポーティな外観のランドクルーザーのほうがいいと思われるようです」(旧トヨペット店営業スタッフ)
しかし、現状で先行予約をしているユーザーの多くが、やはり従来からのランドクルーザーユーザーが多いと、どの営業スタッフも口を揃えていいます。その理由はボディサイズにあるようです。
ディーラーによると300系の全長は200系とほぼ同じ、もしくはグレードによってはわずかですが200系を超えています。
全長は5m弱、全幅は2m弱というボディサイズは日本でビッグサイズです。海外の道路事情で考えればさほど大きくはありませんが、都心部ではこのサイズが入る月極駐車場を探すのも大変です。
「すでに駐車場所を確保できている既存のユーザーなら問題ありませんが、新たにランドクルーザーに乗りたくても、家の前の道幅や駐車場などの問題から諦めざるを得ないお客様もかなりいます。兄弟車のプラドが都市部で売れて理由は、そこにあるといっていいと思います」(前出営業スタッフ)
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すでに2万台近くの先行受注が入っているともいわれている300系。さまざまな条件から諦めた人がいる一方で、間違いなく世界的なヒットを予感させます。
まだまだベールに包まれた部分が多い300系ですが、今後その実力がつまびらかにされたとき、さらに受注が増える可能性が大きいのではないでしょうか。
ちなみに受注再開は1年後ともいわれていますが、トヨタがいかに早く日本向けの増産ができるかに、今後の市場の動向がかかっているといえます。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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